糖尿病

糖尿病の原因には、生活習慣の影響や、膵臓の病気などがあります。 このほかに、妊娠がきっかけとなって血糖値が高くなる場合があります。

■糖尿病とは?

「インスリン」の不足や働きの低下によって、血糖値が高くなる

『糖尿病』は、血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎた状態が続くことです。 ブドウ糖は、 炭水化物を摂ることによって体内に取り込まれ、形を変えて肝臓や筋肉、脂肪組織などに蓄えられます。 身体を動かすときには、ブドウ糖が血液によって全身に運ばれ、筋肉などでエネルギー源として使われます。 肝臓や筋肉、脂肪組織がブドウ糖を蓄えておくためには、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが欠かせません。 インスリンの分泌量が減少したり、そのインスリンの働きが低下したりすると、肝臓や筋肉、脂肪組織はブドウ糖をうまく取り込めなくなります。 その結果、ブドウ糖が血液中に過剰に増えて、糖尿病が起こります。


■糖尿病の原因

生活習慣の乱れや自己免疫の病気、妊娠などが原因になる

糖尿病の主な原因は次の通りです。


●生活習慣の乱れが原因

糖尿病全体の約90%は、食べ過ぎや運動不足など生活習慣の乱れが原因で起こります。これを2型糖尿病といいます。 例えば、もともと糖尿病を発症しやすい体質の人に、生活習慣の乱れがあると、 「肥満」「メタボリックシンドローム」に繋がります。 すると、インスリンの働きが低下してしまいます(インスリン抵抗性)。 膵臓は、インスリンの働きを補うために分泌量を増やしますが、やがて膵臓が疲弊し、インスリンの分泌量も減ってしまい、糖尿病が起こるのです。


●自己免疫の病気が原因

ウィルスや細菌などの外的を攻撃するための免疫の働きが、 自分自身の膵臓の細胞を破壊してしまい、インスリンが分泌されなくなることで起こる糖尿病を1型糖尿病といいます。


●妊娠が原因

最近注目されているのが、妊娠中に起こる妊娠糖尿病です。 妊婦の7〜9%に発症するといわれていますが、詳しい原因はわかっていません。 妊娠糖尿病を発症すると、妊婦の妊娠高血圧症候群羊水量の異常などが起こりやすくなったり、 出産後に血糖値が正常に戻っても、中高年になって糖尿病を発症しやすくなったりします。 また、胎児の側にも、流産、巨大児(出生体重が4000g以上)、心臓の肥大などが起こるリスクがあります。 特に、肥満のある人、家族に糖尿病のある人がいる人、高い年齢での妊娠、以前に巨大児の出産経験のある人は注意が必要です。


■糖尿病の治療

治療では、糖尿病の原因や状態によって働きの異なる薬を使う

2型糖尿病では、まず食事や運動などの生活習慣の改善を行います。 生活習慣の改善を2〜3ヵ月続けても、血糖値が十分に下がらない場合は、併せて薬物療法を行います。 糖尿病の薬には、飲み薬と注射薬があります。


●飲み薬

働きによって大きく3種類に分類され、主に2型糖尿病の治療に使われます。 1つ目は、インスリンの分泌をよくする薬で、スルホニル尿素薬、グリニド薬、DPP-4阻害薬があります。 スルホニル尿素とグリニド薬は、膵臓の細胞に作用します。 DPP-4阻害薬は、インスリンの分泌を促す作用を持つ、小腸から分泌されるホルモンが分解されるのを抑えます。 2つめは、インスリンの働きをよくする薬です。 肝臓からブドウ糖が放出されるのを抑えるビグアナイド薬と、筋肉や脂肪組織に作用して、インスリンの働きをよくするチアゾリジン薬があります。 3つ目は、ブドウ糖の吸収・排泄を調節する薬で、α-グルコシダーゼ阻害薬とSGLT2阻害薬があります。 α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸に作用して炭水化物がブドウ糖に分解される速度を遅らせます。 SGLT阻害薬は、腎臓に作用し、血液中に増えたブドウ糖の尿中への排泄を促します。


●注射薬

作用の異なる2種類の薬があります。 インスリン製剤は、膵臓から分泌されるインスリンと同じ働きの物質を薬にしたもので、皮下に注射してインスリンの不足を補います。 インスリンの分泌がない1型糖尿病では必須の薬で、必要に応じて2型糖尿病の治療にも用いられます。 また、妊娠糖尿病に対しても、安全性などの点からインスリン製剤が用いられます。 ただし、低血糖には十分に注意する必要があります。 GLP-1受容体作動薬は、膵臓の細胞に作用してインスリンの分泌を促し、主に2型糖尿病の治療に使われます。


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