【質問】オピオイド鎮痛薬はどのように使っていく?

【答】

がんの痛みは、多くの場合、一定の弱い痛み(持続痛)が続く間に、時折、急に強い痛み(突出痛)が出るという波があります。 まずは、持続痛を抑えるために、効果が長く続く徐放性の薬を定期的に使います。 通常、内服薬は1日1~3回程度服用し、貼付薬は3日あるいは1日に1回貼り替えます。 適切な薬の使い方を見つけて、持続痛を完全に抑えることが大切です。 それでも時折現れる強い痛みに対しては、その都度、すぐに効く早放性の薬を使って対応します。 2つのタイプの鎮痛薬をうまく組み合わせることで、ほとんどの痛みに対応できます。

【質問】使う薬の量はどのようにして決まる?

【答】

オピオイド鎮痛薬の場合、鎮痛効果を得るのに必要な用量に個人差があり、患者さんに応じた適切な量で使うことが大切です。 最初は少ない量から使い始めて徐々に増量していくのが基本ですが、あまり少なすぎると、鎮痛効果は得られず、 副作用だけが出ることになりかねないので、症状に応じて、ある程度の効果が期待できる量から始めます。 モルヒネなどの強オピオイドは、天井効果がなく、基本的に容量を増やせばその分鎮痛効果が高まります。 痛みは消えたが眠気が出てきたという場合は、薬の量が多すぎるとわかります。

【質問】突出痛に対する薬の使い方は?

【答】

あらかじめ処方されている頓服用の薬を、痛みが出たらすぐに飲みます。速放性のオピオイド鎮痛薬は15分ほどで効果が現れます。 また、痛みが出ることが予測できる場合には、予防的に使うこともあります。 ただし、徐放性の薬の効果が不十分で、速放性の頓服薬をたびたび使うようになったら、定期的に使う薬の見直しが先決です。

【質問】オピオイド鎮痛薬の副作用に対しては?

【答】

使い始めの吐き気と便秘は、ほぼ必ず出るものと考えて、あらかじめ吐き気止めや下剤を併用して予防します。 それでも吐き気や便秘が起こったら、予防薬の量を増やしたり種類を替えたりするので、医師に伝えてください。 副作用による吐き気は大抵、数日~1週間で治まりますが、便秘はその後も起こります。 眠気は、薬の使い始めや増量時に現れることがあります。薬の量が多すぎても眠気が出るので、鎮痛効果を見ながら調節します。 ただし、痛みのための睡眠不足が原因のこともあるので、使い始めの数日は様子を見ることもあります。