肺癌を予防する食品

男性に多発する肺癌の予防には、キャベツがよく効き、 週に1回以上キャベツを摂れば、肺癌の発生率は3割減るといわれています。 キャベツに含まれるイソチオシアナードという成分に、癌予防効果があることが研究で判明したのです。


■キャベツ

豊富な栄養と癌抑制成分を含むキャベツ

「肺癌」は日本人の男女共に増加が著しい癌で、男性では癌死亡率のトップになっています。 そして、肺癌は喫煙者での発生率が高く、その危険度はタバコを吸わない人の4~10倍とも言われています。 肺癌の第一の予防策は禁煙ですが、加えて最近、淡色野菜の摂取が非情に効果的であるという研究結果が報告されています。 その淡色野菜こそ「キャベツ」なのです。 キャベツの抗癌効果が注目を集めたのが、米国国立癌研究所が中心となって推進した「デザイナーズフーズ計画」 が発端でした。これには、食品の癌予防に対する重要度が示されています。 その中で、キャベツはニンニクと共にトップクラスに位置づけられたのです。 キャベツは、淡色野菜の中では例外的にビタミンCを多く含み、β-カロテンやクロロフィルの他にも カルシウムなどのミネラルも豊富です。 近年では、キャベツに含まれる「イソチオシアナート」という成分に、癌予防効果があることがわかり、 さらに注目を浴びるようになりました。 イソチオシアナートはアブラナ科の植物に含まれる辛味成分で、発癌物質の活性化を抑えて 細胞外へ排泄する働きを備えています。


●国内外の試験で発癌を抑えた

国立医薬品食品衛生研究所は、マウスを使った試験を行っています。 発癌物質を混ぜたエサを与えた群と、発癌物質とイソチオシアナートを混ぜたエサを与えた群にわけ、 経過を観察しました。その結果、発癌物質とイソチオシアナートを与えたマウスの肺癌発生率はゼロだったのです。 フランスの癌研究国際機関でも、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜について研究をしています。 その結果、アブラナ科の野菜を週に1回以上摂ると肺癌が発生する危険度が約3割減ると発表しています。 このほかにもキャベツの癌抑制効果に関する数多くの研究が行われ、キャベツに含まれる「ビタミンU」には 胃粘膜を保護して胃癌を防ぐ効果も認められています。

◆キャベツの摂り方

キャベツの摂り方ですが、イソチオシアートの働きを活発にするには、生のキャベツを刻んで1日100g程度食べるのが効果的です。 ただし、生のままではカサが増してたくさん食べられない人も多いでしょう。 そこで、キャベツを酢に漬けて食べる「酢キャベツ」がお勧めです。 キャベツを3日ほど酢に漬けると発酵が進み、有効成分が増えて、癌予防の鍵となる免疫力の強化にも役立つと 考えられます。酢キャベツならカサが減り、食べるのも苦にならないし、簡単に手作りできるので一度試してみてください。