肩こりの主な原因と予防

肩こりの主な原因は、悪い姿勢とストレスです。肩こりは自覚しにくいからこそ、予防することが大切です。 姿勢やストレスなど、肩こりを起こす原因を知り、日常生活の中で肩こりを予防しましょう。


■肩こりの主な原因

悪い姿勢とストレスにより肩に過剰な力が入る

肩こりを起こす主な原因には、姿勢ストレスが関係しています。


●悪い姿勢

人間の体は、本来、左右対称に使うようにできています。 しかし、姿勢が悪いと、体の使い方が偏ってしまい、使わないほうの筋肉や関節の動きが悪くなり、姿勢が歪んできます。 例えば、肩は立っているときもバランスを取るために働いていますが、体が左右どちらかに傾いていると、水平を保つために肩の筋肉が過剰に働くことになり、 硬くなりやすくなります。また、歯の噛み合わせや体の歪みにより血行が悪くなることも、肩こりにつながります。 自分の姿勢はわかりにくいものですが、姿勢が悪い人は、左右の肩の高さなどに違いがあるので、それをチェックしてみましょう(イラスト参照)。 左右の差があった場合には、バランスを改善する運動(イラスト参照)を行ってみましょう。 姿勢の歪みを改善することで、肩をスムーズに動かすことができるようになります。 ただし左右差は、長い間、無意識に左右違う使い方をしてきた結果なので、一度の運動での改善は期待できません。

●良い姿勢

立ち姿勢と座り姿勢それぞれ、次のような姿勢が良い姿勢です。

▼立ち姿勢
正面から見た場合に体が左右対称になっているのが、良い姿勢です。 横から見た場合には、耳からくるぶしまで一直線になっています。 自然にこういう姿勢がとれるように、鏡の前などでチェックしてみてください。

▼座り姿勢
最近は、長時間デスクに座り、パソコン作業をすることが多く、肩こりに悩んでいる人が増えています。 デスクワークをするときは、爪先に体重が乗るような位置に膝が来るようにして座ると、僧帽筋に負担がかかりにくくなります。 椅子に深く腰掛けると、首を前に突き出す姿勢になり、肩の筋肉に負担をかけるので、やや浅く腰掛けるようにしましょう。

●ストレス

肩は、体の動きだけでなく、心の影響も受けます。精神的なストレスを受けると、肩の筋肉は緊張します。 ストレスが長く続いたり繰り返されたりすると、筋肉は緊張し続け、それが肩こりにつながることがあります。 ストレスと肩こりの関係を断ち切るには、ストレス事態を解消する努力も必要ですが、「脱力と緊張の運動(イラスト参照)」で、 筋肉の緊張と弛緩を自分で意識的に作り出し、緩めた時の大きな開放感を得ることも大切です。 また、座っていても立ったままでも、20分以上同じ姿勢で作業を続けていると、肩の筋肉は硬くなります。 ストレスを感じていなくても、「胸張り運動(イラスト参照)」をこまめに行うことは、肩こり予防に役立ちます。


■肩こり予防

肩こりは自覚しにくいので、予防することが大切

肩こりは、肩の筋肉(主に僧帽筋)が硬くなっていると感じる状態です。 しかし、周囲の人から「肩が凝っているね」と言われても、自分では異常を感じていない人は少なくありません。 このように自覚のない”隠れ肩こり”の人は増えているといわれています。 肩を動かすときには、上腕骨と肩甲骨が連動して動きますが、そのとき、肩甲骨は肩の筋肉によって動かされています。 ところが肩甲骨がどのように動いているのか、肩甲骨がどの方向を向いているのかなどを認識しにくいことが、肩こりを自覚しにくい理由として挙げられます。 肩が凝っているという認識があれば、健康な状態に早く戻すこともできます。 しかし、筋肉が硬くなっている状態を自覚できていないまま、肩を動かし続けると、肩甲骨がスムーズに動かせないため、関節に負担がかかって、 そのうち肩関節が動かしにくくなったり、腱が切れて手術が必要になったりする場合もあります。 肩こりは、まず自分で認識することが大切です。そして、肩こりを感じにくい人は、自分の体の状態を見つめなおすとともに、きちんと予防する必要があるといえます。