肩こり解消「ふるふる動作&ストレッチ運動」

肩の状態は、「肩こり」から悪化する場合があります。簡単な方法で、肩こりを日々解消しましょう。 肩の筋肉を「緩める」「伸ばす」ことで、肩こりが解消できます。 肩こりを解消する運動は、、こまめに行うことが大切です。


■肩こりの発症

筋肉が硬くなり、血行不良が起こる

肩こりは、自覚のないまま放っておくと、次第に関節に負担がかかり、肩関節の病気につながる場合があります。 放っておかず、日々解消するようにしましょう。

●肩こりが起こる仕組み

肩は、重い頭を支える首とつながり、頻繁に使う腕の動きにもかかわってきます。 そのため、負担がかかりやすく、肩の筋肉(主に僧帽筋)は緊張しやすい部位だといえます。 筋肉には、毛細血管が網の目のように張り巡らされ、通常は血液から十分な量の酸素が供給されています。 それにより、食物などから吸収したブドウ糖は”燃焼”し、活動のエネルギーとして使われます。 ところが、同じ姿勢を長時間とり続けるなど、肩の筋肉が緊張し続けると、筋肉は膨張し体積が増えるため、血管を圧迫して血流量が減少します。 十分な酸素が供給されなくなると、ブドウ糖はいわば”不完全燃焼”を起こし、乳酸などの”疲労物質”が生じます。 これらの物質は、肩こり独特の不快感や鈍い痛みを感じさせます。 不快感や鈍い痛みがあると、人間は無意識に肩をすくめたりしがちです。すると筋肉はさらに緊張し、硬くなっていくという悪循環を起こします。

■肩こりの解消

「緩める」「伸ばす」ことで、筋肉の血行を促進する

肩こりを解消するためには、乳酸などの疲労物質を体外へ排出することが必要です。 血行が良くなれば、これらの物質は体外へ排出されやすくなります。 血行を良くするポイントは、肩を「緩める」ことと、「伸ばす」ことです。

●緩める

肩こり解消のためには、まず、硬くなった筋肉を緩めます。 入浴も効果が期待できますが、ここでは、いつでもどこでもできる「ふるふる動作」(イラスト参照)を紹介します。 動きのポイントは、「ゆっくり、やさしく」です。 凝り固まった筋肉は強く揉みほぐさないと緩まないと思いがちですが、強い刺激を受けて痛みを感じると、無意識に肩をすくめるなどするため、 筋肉は緊張し、かえって硬くなります。 逆に軽く心地よい刺激を受けると、筋肉は緩んできます。 肩に手を当てるだけでも心地よさを感じ、肩こりを自覚する利点もあります。 また、左右の肩は引っ張り合っているので、肩こりを自覚していないほうの肩も影響を受けてきます。 肩こりに左右差がある場合、凝ったほうだけふるふる動作を行ってもよいのですが、両肩を同じように行ったほうがより効果的です。 簡単な運動ですが、運動前後の超音波画像を見ると、硬かった筋肉がふるふる動作で軟らかくなっている状態を確認することができました。


●伸ばす

筋肉は緊張すると収縮するので、ストレッチ運動(イラスト参照)により、肩の筋肉をゆっくりと伸ばします。 まず、肩こりを感じる筋肉である僧帽筋を伸ばします。 僧帽筋は首から始まって肩から背中に広がっています。 頭を倒したときに首の筋肉が伸びる感じは自覚しやすいのですが、肩のほうの筋肉が伸びる感じも自覚することが大切です。 この時、背中から腰まで広がる大きな広背筋も意識します。 腕を上げ下げするときなどには、僧帽筋と広背筋が連動して働き、肩関節を介して互いを引っ張り合う関係にあります。 僧帽筋と広背筋の両方をきちんと伸ばしてバランスを取ることで、肩こりを解消することができます。 僧帽筋の凝りには気が付いても、それを引っ張っている広背筋の凝りには気づきにくいので、2つの筋肉を意識しながらストレッチすることが大切です。 この運動を行うと、脇腹や背中、肋骨まで心地よく伸びている感覚を味わうことができます。


■肩こりを解消する習慣

肩こりを放っておかず、こまめな運動を習慣づける

今回紹介した方法は、仕事や家事などの合間に、だれでも手軽にできるものばかりです。 肩こりというと日常的な症状であるため、軽く考える人が多くみられますが、体が異常を知らせている危険信号の場合もあります。 しっかり意識して早く解消するために、今回紹介したような運動を習慣づけてください。


■関連項目