病気のサインの肩こりの自己診断法

肩こりや肩の痛みが心配のないものか、大病の前触れかを判断する自己診断法です。


■一般的な肩こりと病気のサインの肩こり

頑固な肩こりには要注意

私たち人間の肩は、鎖骨・肩甲骨・上腕骨をつなぐ4つの関節(肩鎖関節・肩甲上腕関節・胸鎖関節・肩甲胸部関節)からできています。 これらの関節が連携して働くおかげで、私たちは腕を前後左右に動かすことができるのです。 ところが、同じ姿勢でデスクワークや車の運転を長時間続けたり、スポーツや労働で肩を酷使したり、 逆に運動不足だったり、過剰なストレスを感じたりすると、肩の筋肉は緊張して硬くなり、痛みやだるさが現れます。 これが一般的な肩こりです。悪い姿勢や疲労・運動不足などが原因で起こる一般的な肩こりは、 ふつう、一仕事済んだ昼過ぎから夕方ころ、両肩に起こり始めます。 こうした肩こりは、一晩眠ったり、肩を温めたりマッサージしたりして緊張した肩の筋肉がほぐれれば、たいてい速やかに解消します。

しかし、肩こりには、なかなか解消されない頑固な肩こりもあります。 そして、頑固な肩こりが続くときは、思いがけない病気が潜んでいる場合もあるので注意が必要です。 そもそも、首から肩にかけての部分には、脳を始め頭部や腕などに血液を送る、太くて重要な血管が集中しています。 しかも、そうした血管は幾度となく枝分かれし、複雑に入り組んでいます。 そのため、何らかの原因で体のどこかの血流が停滞すれば、ただでさえ異常が現れやすい肩には、 真っ先にコリが起こってくるのです。また、首から肩にかけては、内臓の働きを大きく左右する神経が密集しています。 内臓のどこかに異常が発生すると、その情報が神経を介して脳に伝えられ、異常を知らせる信号が肩こりとして現れることもあります。


■病気のサインの肩こり

高血圧のサインの肩こり
肩こりは午後に起これば心配ありませんが、朝から起こる場合は高血圧のサインで、脳梗塞が心配されます。

胸郭出口症候群のサインの肩こり
肩がこり腕に冷えも感じる場合は女性に多い「胸郭出口症候群」の可能性があり、治す秘訣は「怒り肩姿勢」です。

頚椎症のサインの肩こり
肩や腕が片方だけ痛んだら、首の変形「頚椎症」の疑いが濃厚で、7秒間の「頭押し」が有効です。

糖尿病のサインの肩こり
左右のうなじ(後ろ首)から肩・背中にかけての広い範囲に、コリや痛みが出て、 それも左右両方の肩がパンパンに張って、肩の皮膚を指でつまめないほど硬くこっている状態がしばらく続くようであれば、 糖尿病の疑いがあります。

子宮筋腫・子宮内膜症のサインの肩こり
両肩の肩こりが1週間以上続く場合は40代以下ならば、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人病が進行している可能性があり、 50代以上の場合は、更年期障害が疑われます。

心筋梗塞のサインの肩こり
左肩から背中にかけてのコリや痛みは心筋梗塞の前触れで、胃のむかつきもあれば要注意です。

背骨に転移しやすい癌のサインの肩こり
肩のコリや痛みがだんだんひどくなり、痛む場所も変われば、 背骨に転移しやすい癌(乳癌・子宮癌・前立腺癌・肺癌・腎臓癌)の疑いがあります。 癌からくる肩こりは、コリや痛みの起こる場所が頻繁に変わり、 その痛みがだんだん激しくなっていくのが特徴です。