頚椎症のサインの肩こり

肩や腕が片方だけ痛んだら、首の変形「頚椎症」の疑いが濃厚で、7秒間の「頭押し」が有効です。


■頚椎症

首の骨にトゲができる

左右どちらか一方にだけ、肩こりや腕の痛みが現れる、朝起き抜けに片手の指先が痺れる、 上を向いたときに、ピリッとした痛みや痺れるような違和感がある・・・・ そんな症状を自覚したなら、頚椎症という首の病気が疑われます。頚椎とは、背骨の首の部分のことです。 頚椎症は、中高年、特に40代以上の男性に多い病気ですが、最近は20~30代の若い人にも増えてきました。 頚椎症の原因は、老化による首の骨の変形です。若い人でも、重い頭を支える首の筋力が衰えると、首の骨の老化が進みやすくなります。

首の骨は、積み重なった7個の堆骨からなります。堆骨と堆骨の間には、椎間板と呼ばれる軟骨が挟まっています。 椎間板は、ゼリー状をした柔軟な組織で、弾力性に富んでいます。 そして、上下の堆骨を連結する役割をするほか、重力や衝撃を吸収する働きをします。 ところが、年を取ると、椎間板はみずみずしさを失い、硬くなってきます。 すると、重力や衝撃で押しつぶされたり、磨り減ったりします。 その結果、堆骨同士がこすれ合って、その部分にトゲのような出っ張り(骨棘)ができます。 首の骨にこうした変形が起こると、脊髄や神経根(脊髄から枝分かれして骨の外に出て行く神経)の通り道が狭くなって、 圧迫や刺激を受けることがあります。すると、首筋から肩にかけての筋肉がいつも硬く緊張し、重苦しく痛んだり、 肩から腕にかけて痺れたり、手指の感覚が鈍くなったりするのです。 多くの場合、肩・腕の痛みは、左右どちらか一方に現れます。 首の骨にある自律神経の中継所が障害を受けることもあります。 その場合は、頭痛・吐き気・めまい・だるさなど、いわゆる自律神経症状を伴います。 さらに頚椎症が進むと、下半身にも障害が及びます。

放置すれば恐い病気である頚椎症。その最大の原因は、首の筋力の低下です。 首の筋肉を強化するには、頭部を前後左右から7秒間ずつ手で押す「頭押し」という運動が有効です。 これは、アイソメトリック(等尺性筋収縮)と呼ばれる運動で、関節を動かさずに筋肉に一定時間力を入れるもの。 その際、最も効果的な時間が7秒間なのです。1日1~2回、息を吐きながらゆっくりと行ってみてください。