子宮筋腫・子宮内膜症のサインの肩こり

両肩の肩こりが1週間以上続く場合は、 40代以下ならば、子宮筋腫子宮内膜症といった婦人病が進行している可能性があり、 50代以上の場合は、更年期障害が疑われます。


■子宮筋腫・子宮内膜症

痛みを起こす物質が長い間分泌される

「肩こり」は、女性に多い症状です。女性の体は、男性よりも細くて筋力も劣る上に乳房があります。 肩の筋力も男性に比べて弱いのに、頭や腕、乳房の重みまで支えなければなりません。 そのため、女性の方が肩こりを起こしやすいのです。さらに、生理のときに肩がこることもよくあります。 しかし、生理が終わった後も両肩のコリが1週間以上もダラダラと続くようなら、婦人病を疑ったほうがいいでしょう。 女性は、毎月の生理のときに、子宮の内側を覆う子宮内膜という組織で、「プロスタグランジン」という物質が たくさん分泌されます。プロスタグランジンは、炎症や痛みを起こす物質で、筋肉を収縮させる強い働きをします。 生理期間中、プロスタグランジンの量が多くなると、子宮の筋肉に痙攣性の収縮が起こります。 そうして、不要になった子宮内膜が、体の外に排出されるのです。 一方では、たくさん分泌されたプロスタグランジンの影響で、体のいろいろなところで血管が収縮したり、 筋肉が収縮したりします。そのために生理期間中は、下腹部痛や肩こり、頭痛、腰痛など、いわゆる生理痛が 引き起こされるのです。生理に伴う肩こりは、左右両方の肩に現れるのが特徴です。 通常、下腹部痛や肩こりなどの生理痛が最もつらいのは、生理が始まって2~3日の間です。 それ以後は徐々に軽くなっていき、生理が終われば消失します。

しかし、両肩の肩こりが1週間以上も続く場合は、「子宮筋腫」「子宮内膜症」といった婦人病が 進行している可能性があります。子宮筋腫は、子宮の筋肉に良性の腫瘍ができる病気です。 婦人病の腫瘍では最も多い病気で、成人女性の4~5人に1人に見られます。 閉経すれば筋腫は縮小しますが、生理のある間は出血が長引いたり、出血量が増えたり、頻繁に来る月経過多になったり します。一方の子宮内膜症は、子宮内膜が本来あるべき場所以外で増殖し、種瘤を作ってしまう病気で、 生理のある女性の10人に1人に見つかります。生理期間中に種瘤が大きくなることと、下腹部痛などの生理痛を伴うことが 特徴です。どちらの病気も、子宮の内側の表面積が増えて子宮内膜の量が多くなるため、プロスタグランジンが 通常よりも大量に、そして長期間にわたって分泌されます。 その結果、生理痛が重くなり、肩こりも長引きやすくなるのです。

以上は、主に40代以下の女性が気をつけるべき症状ですが、50代以上の女性で、両肩のコリが長く続く場合は、 「更年期障害」を疑うべきでしょう。その場合は、両肩のコリや痛みと共に、のぼせやほてり、 イライラなどの不快症状も伴います。