背骨に転移しやすい癌のサインの肩こり

肩こりや痛みがだんだんひどくなり、痛む場所も変われば、 背骨に転移しやすい(乳癌・子宮癌・前立腺癌・肺癌・腎臓癌)の疑いがあります。 癌からくる肩こりは、コリや痛みの起こる場所が頻繁に変わり、その痛みがだんだん激しくなっていくのが特徴です。


■癌が原因の肩こり

乳癌と肺癌は、比較的早いうちから肩にコリや痛みが現れる

慢性的な肩こりに悩む人は、数え切れないほど大勢います。しかし、首・肩や背中のあちこちが、 何の脈絡もなしにこったり痛んだりして、その症状が日増しにひどくなってきた場合は、癌の疑いが濃厚です。 癌からくる肩こりは、コリや痛みの起こる場所が頻繁に変わり、その痛みがだんだん激しくなっていくのが特徴です。 例えば、首が痛んだかと思えば背中が痛くなる、右肩がこっていたのに翌日は左肩が痛むといった具合に、 コリや痛みを感じる部分が移動するのです。そして、今日より明日、明日よりも明後日というふうに、 痛みの程度が徐々に強くなっていきます。

では、なぜこのような症状が起こってくるのでしょうか。
体内に癌が発生すると、血管やリンパ管を通じて、体のさまざまな器官に転移します。 特に脊柱(背骨)などの骨に癌が転移すると、その内側にある脊髄で腫瘍を作って、増殖を繰り返します。 その増殖が激しくなるにつれて、骨の組織が徐々に破壊されていき、首・肩や背中のコリや痛みとなって現れるのです。

肩にコリや痛みを生じやすい癌の種類、つまり背骨に転移しやすい癌としては、女性の「乳癌や子宮癌」、 男性の「前立腺癌」それに「肺癌や腎臓癌」などが挙げられます。 中でも、乳癌と肺癌は、それぞれの器官が肩に近いこともあって、比較的早いうちから肩にコリや痛みが現れます。 特に、肩のコリや痛みが現れやすいのは「肺尖部」(肺の先端のとがった部分)に癌ができた場合です。 肺尖部は、鎖骨ぐらいの高さにあって、目とつながっている星状神経節と隣り合っています。 星状神経節とは、自律神経が集まっている部分です。 そのため、肺尖部に癌ができると、目にも異常が現れます。例えば、まぶたが垂れ下がる、目が落ち窪む、 瞳孔が拡大するといった症状が現れ、同時に両腕に痺れが現れることもあります。

また、癌はリンパ液を通じてリンパ腺に転移することも少なくありません。 リンパ腺は、もともと極めて軟らかい組織ですが、癌が転移するとゴツゴツした硬い組織に変わっていきます。 そこで、肩のコリに異常を感じたならば、耳の下やわきの下にあるリンパ節も調べてみてください。 指で触って腫れや硬さを感じた場合は、癌の可能性が高いと考えられます。

癌は、手遅れになれば命取りになる病気の筆頭です。しかし、早期に発見すれば、決して恐い病気ではありません。 肩こりの変化に注意を払い、癌発見に役立てましょう。