【質問】

高血圧と診断されましたが、薬を飲むほどではないと言われました。 その後、何年か生活習慣を見直しても、降圧目標を達成できず、落ち込みます。 また、高血圧の薬は飲み始めると止められないと聞いたので、それも不安です。
●60歳代・女性


【答】

高血圧の治療では、まず生活習慣の改善を行い、それでも血圧が十分に下がらない場合に、降圧薬による治療を開始します。 生活習慣を見直しても目標とする血圧(下図参照)まで下がらない場合には、生活習慣の改善が万全だったのかをまずチェックしてみましょう。 このなかで最も重要で欠かせないのは「減塩」です。 自分では減塩を行っているつもりでも、実際には食塩を摂り過ぎていることは少なくありません。 ただ、生活習慣を改善しても降圧目標まで下がらないことはよくあります。決して落ち込むことはありません。 血圧は加齢によっても上がりやすくなり、60歳代では高血圧のある人は珍しくありません。 生活習慣の改善を1ヵ月程度、きちんと行っても下がらなければ、 「降圧薬」による治療を開始します。 糖尿病や、腎臓が障害されて起こるたんぱく尿があるなど、 特に脳卒中心筋梗塞などのリスクが高い人であれば、 より早くから薬を開始することもあります。降圧薬は生涯飲み続けることが多いのですが、重大な副作用が現れることはほとんどありません。 脳卒中や心筋梗塞が起こらないようにするための”予防薬”だと考え、治療を続けていってください。

生活習慣のチェック
目標とする血圧

(この答えは、2020年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)