【質問】
50歳代から高血圧の薬を飲んでいますが、最近朝の血圧が150mmHgと高めです。
減塩食は味気なくて、寂しい気持ちになります。もう年なので、あまり気にせず好きなものを食べてもよいのではと思うのですが・・・・・。
●85歳・女性
【答】
血圧は1日の中でも変動していて、睡眠時には下がり、起床時には上がるものです。
しかし、起床時の血圧が150mmHg以上あるとのことですから、これは明らかに高血圧です。
すでに降圧薬による治療を行っている場合は、
降圧薬を服用するタイミングを調整する必要があるかもしれません。
朝食後に1回服用する場合が多いのですが、これだと日中の血圧は低くコントロールできても、薬の効果が翌朝まで持続せず、起床時の血圧が高くなりやすくなります。
その場合、夜に服用したり、朝と夜に分けて服用したりすることを検討します。
ただし、決して自己判断で飲み方を変えたりせず、必ず医師に相談してください。
なお、高齢者は早朝の血圧が急上昇しやすい傾向があります。加齢で血管が硬くなっていたり、交感神経の働きが過敏になっていると考えられます。
こうした点からも、起床時の高血圧については、医師に相談するとよいでしょう。
”高齢だから高血圧があっても気にしなくてよい”ということはありません。
人生100年時代ですから、血圧のコントロールはこれからも怠らないでください。
高齢者でも薬で血圧をコントロールすることで、
脳卒中や
心筋梗塞を防げることが実証されています。
減塩も続けましょう。
最初は味気ないと感じても、徐々に慣れてくるものです。現在は、美味しい減塩食品も市販されています。
他にも、調味料を減塩のものに変えたり、
食品を購入する際は、栄養成分表示を確認するようにしましょう。
(この答えは、2020年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)