就寝前と起床後の最高血圧が140ミリ以上あれば要注意

昼間は正常でも、就寝前と起床後の最高血圧が140ミリ以上あれば危険で、脳卒中や心筋梗塞の発症率が高まります。 特に要注意なのが、寝ている間中血圧の高い夜間持続型の早朝高血圧です。 夜間持続型の早朝高血圧では1日の1/3近くもの間、血圧の高い状態が続くことになるので、 血管や心臓を傷める危険がより大きくなり、動脈硬化も著しく進行してしまいます。 実際に、脳卒中や心筋梗塞を起こす確率は、正常血圧の人を1とした場合、夜間持続型の早朝高血圧の人は約4倍に高まると報告されています。



■隠れ高血圧

隠れ高血圧の人は治療が遅れがち

最近は、健康診断で測った血圧が正常なのに、家庭や職場で測り直してみると高血圧だとわかる 『隠れ高血圧』が問題視されています。 隠れ高血圧は、「正常血圧という仮面の下に隠れている高血圧」という意味から「仮面高血圧」とも呼ばれています。 隠れ高血圧は、仕事中の緊張のために自律神経が乱れて、血圧が上昇する 「職場高血圧」、 患者さんが医師の前で緊張するために一時的に血圧が上昇する「白衣高血圧」、 深夜から早朝にかけて起こる「早朝高血圧」などがあります。 隠れ高血圧の人は、血圧が高いという認識がないために治療が遅れがちで、ふつうの人よりも脳卒中(脳梗塞や脳出血)や心筋梗塞を起こしやすいといわれています。


■早朝高血圧

加齢や多量の飲酒、ストレスが原因

さて、隠れ高血圧の中で、家庭で血圧を測ることができるのは早朝高血圧です。 そもそも早朝は、体を活動的にする交感神経が優位になるので、血管が収縮して血圧が高くなりやすい時間帯です。 そうした生理現象の血圧上昇に加えて早朝高血圧が起こると、血圧が著しく上昇してしまい、 脳梗塞や心筋梗塞へとつながる危険が一段と高くなるのです。 なお、早朝高血圧の原因は、加齢や多量の飲酒、精神的なストレスなどがあげられます。

早朝高血圧は、寝ている間中血圧の高い「夜間持続型」と寝ている間は正常なのに起床すると血圧が急上昇する 「早朝上昇型」の2タイプに分かれます。 このうち特に要注意なのが、夜間持続型です。早朝上昇型は、血圧の高い時間がそれほど長くありませんが、 夜間持続型では1日の1/3近くもの間、血圧の高い状態が続くことになります。 すると、血管や心臓を傷める危険がより大きくなり、動脈硬化も著しく進行してしまうのです。 実際に、脳卒中や心筋梗塞を起こす確率は、正常血圧の人を1とした場合、 夜間持続型の早朝高血圧の人は約4倍に高まると報告されています。

朝の起き抜けに、首や肩に疲れが残っている人は、早朝高血圧の心配があります。 早朝高血圧を発見するには、まず、起床直後(排尿後)に血圧を測りましょう。 昼間や健康診断での血圧が正常でも、起床直後の最大血圧が140ミリ以上なら、早朝高血圧が疑われます。 加えて就寝前にも血圧を測り、最大血圧が140ミリ以上ある場合は、 夜間持続型の早朝高血圧の可能性が高いといえます。 その場合、早急に専門医の診察を受けることをお勧めします。