■収縮期血圧と拡張期血圧

年をとると血管壁の弾力が失われて硬くなり、収縮期血圧が高くなります。 一方、心臓から出る血液の量は減ってくるため、拡張期血圧は低下します。

▼収縮期血圧
心臓が収縮して血液を「大動脈」に送り出すと、心室から押し出される血流で大動脈が膨らみ、 動脈の壁にかかる力は最も強くなります。 これが「収縮期血圧」で、このときに血圧は最も高くなります。

▼拡張期血圧
収縮していた心臓が拡張すると、膨らんでいた大動脈は収縮して、血液が手足などの抹消の動脈に送り出されます。 このとき、動脈の壁にかかる力は、最も弱くなります。 これを「拡張期血圧」といい、このときに血圧は最も低くなります。

収縮期血圧が140mmHg以上、または、拡張期血圧が90mmHg以上の場合が「高血圧」とされます。


■「脈圧」でわかる動脈硬化

加齢により収縮期血圧と拡張期血圧の差が広がる

年をとると血管壁の弾力が失われて硬くなり、収縮期血圧が高くなります。 一方、心臓から出る血液の量は減ってくるため、拡張期血圧は低下します。 収縮期血圧と拡張期血圧の差「脈圧」ですが、この脈圧は高齢になると大きくなる傾向があります。 一般に、収縮期血圧は年齢と共に上昇します。ところが、拡張期血圧は60歳ごろまでは上昇するものの、 それ以降は徐々に低下します。これには、加齢による動脈硬化が深く関わっています。 つまり、「脈圧は動脈硬化の進み具合」を示す指標であるといえます。 「脈圧」が大きいということは、「動脈硬化」が起きている証拠であるのと同時に、動脈硬化を進行させる要因でもあります。 海外で行われた臨床実験の結果、脈圧が大きくなるに従って、 心筋梗塞や脳卒中などを発症する危険性が高まることがわかっています。 ある調査結果では、脈圧が65mmHg以上あると、その危険性が明らかに高くなると報告されています。 特に、上の血圧が140mmHg以上で、脈圧が65mmHgであれば、動脈硬化がかなり進行していると考えられます。

【関連項目】: 『脈圧』