アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

■薬の作用

アンジオテンシンⅡを作る酵素の働きを抑える

血圧を上げる”張本人”であるアンジオテンシンⅡは、 血圧を上げる作用を持たないアンジオテンシンⅠの変換によってできます。 この変換を行っているのがACEという酵素です。ACE阻害薬は、このACEの働きを抑える作用をっ持っています。 アンジオテンシンⅡが作られるのを抑えるため、血圧が下がります。 ただし、アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換する酵素は、ACE以外にもあるため、アンジオテンシンⅡが まったく作られなくなるわけではありません。その点で、ARBのほうが理論的には降圧効果が高いとされていますが、 その効果は患者さんによってさまざまです。
ACE阻害薬は、ARBとは作用の仕方が多少異なりますが、臓器の保護効果などの面では、ほとんどが共通しています。


■副作用・使用上の注意

糖尿病の人などに向いている。「空せき」が出ることもある

ARBと同様に、比較的若い人や軽症高血圧の人、心不全や糖尿病のある人、たんぱく尿の出ている人などに向いています。 妊娠中の人や、両側性腎動脈狭窄のある人は使えない点も、ARBと共通です。 副作用で「空ぜき」が出やすく、そのためにこの薬を使えなくなる人が少なくありません。 その一方、せきの誘発に高齢者の誤嚥性肺炎を減らす効果があるとも言われています。 まれに「血管神経性浮腫」による呼吸困難が起こることがあります。