不整脈の治療

不整脈の治療にはタイプや原因などに応じて日常生活の改善、薬物療法、 カテーテルアブレーション、ペースメーカー、植込み型徐細動器などを用います。



■治療が必要な不整脈

薬物療法、原因を取り除く手術、体内に機器を植え込む治療がある

心電図検査で不整脈が見られても、特別な治療の必要性がない場合もあります。
治療を行なうのは次のような場合です。

  • 重篤な不整脈で、放置すると生命にかかわる
  • 心臓に基礎疾患がある
  • 自覚症状が強く、生活の支障が大きい
  • 心房細動で、脳梗塞を起こす可能性がある

治療は、不整脈のタイプや原因などに応じて、次のような治療が行なわれます。

▼日常生活の改善
心臓は自律神経の影響を受ける臓器です。日常生活が不規則だと、自律神経のバランスが崩れて、 不整脈が起こりやすくなります。規則正しい生活を心がけ、睡眠不足やストレス、喫煙、多量の飲酒を避けるようにします。

▼薬物療法
主に「精神安定薬」「抗不整脈薬」「抗血栓薬」が使われます。 不整脈は自律神経のバランスが崩れて起こることも多いため、精神安定薬で自律神経のバランスを 整えたり不安を和らげて、発作を抑えます。心臓が発する異常な電気信号が伝わるのを抑えるためには、 抗不整脈薬が用いられます。「心房細動」がある場合は、血液を固まりにくくする抗血栓薬が使われます。 心房細動があると、血栓ができやすく、脳梗塞などを招く危険性があるからです。

▼カテーテルアブレーション
異常な電気信号の発生源を高周波電流で焼き切って原因を取り除く治療法です。 脚の付け根などの太い血管から「カテーテル」という細い管を入れて、先端から高周波電流を流し、 不整脈を起こす組織や経路を焼き切ります。90%以上の人に高い治療効果が期待できるとされています。

▼ペースメーカー
体内に機器を植込み、拍動が遅くなったときにそれを感知して、人工的に造った電気刺激を心筋に伝えて 拍動を保つ治療です。房室ブロックや洞不全症候群などの徐脈性不整脈では中心的な療法です。

▼植込み型徐細動器
電流を発する小さな機器を鎖骨の下の部分の皮膚の下に植込み、心臓に通した細い導線(リード)を通して心臓に電気刺激を与える治療です。 心室細動や心室頻拍などの危険な頻脈性不整脈が起きたときにそれを感知して、体内に植え込んだ機器から、 自動的に心臓に電気ショックを与えて治療します。

危険なタイプの不整脈でも、早めに正しく診断できれば、治療の手立てはいろいろ考えられます。 気になる症状があれば早めに循環器科などを受診して、心電図検査を受けてください。