突然の激痛!痛風を防げ『高尿酸血症での生活改善』

痛風』に苦しむ人は約100万人、その原因となる高尿酸血症がある人は1000万人ともいわれています。 痛風を防ぐため、高尿酸血症の予防治療について解説します。
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突然の激痛!痛風を防げ『高尿酸血症での生活改善』

■痛風とは?

主に足の親指の付け根などの関節に腫れや痛みが起きる

主に足の親指の付け根が腫れ、激しく痛むのが痛風(痛風発作)の症状です。国内に約100万人の患者さんがいると推計されています。 この痛みを起こしているのは、血液中の尿酸という物質です。尿酸はプリン体が肝臓で分解されることで生み出され、 腎臓の働きにより尿として排泄されます。 しかし、作られる尿酸の量が多かったり、排泄がうまくいかなかったりすると、血液中の尿酸が増えてしまいます。 すると、血液中に溶けきれなかった尿酸の結晶ができ、関節などに溜まっていきます。 それが何かの拍子に剥がれると、白血球が異物とみなして攻撃を始めます。その結果、炎症が起こり、関節の腫れや痛みが引き起こされるのです。 痛風の多くは、足の親指の付け根部分の関節に起こります。そして痛風を繰り返すことで結節ができ、その部分の骨が変形してしまうこともあります。 また、足の指以外に、手指や肘の関節などに起こる場合もあります。これらの部分は、あまり血流が豊富でないため、体の他の部分に比べて体温が低くなっています。 そのため、尿酸が血液に溶けにくく、結晶ができやすいのです。


■痛風になりやすい人

男性の30〜50歳代の人が痛風を起こす可能性が高い

下の危険度チェックリストで、当てはまる項目が多い人ほど、痛風を起こす可能性が高くなります。 痛風を起こす人の95%以上が男性です。特に30〜50歳代に多いことがわかっています。 チェックリストにあるような尿酸値を上げやすい生活習慣が長く続いた結果、痛風を起こすようになると考えられています。 肥満がある人に多いのは、腎臓から尿酸を排泄する機能が低下するためです。 肥満になりやすい食習慣自体も、痛風を起こしやすくなる原因になります。 アルコール飲料や清涼飲料水、甘いものの摂り過ぎは、体内で作られる尿酸を増やすことに繋がります。 また、ストレスがあると過食やアルコール飲料の過剰摂取に繋がることがあります。 家族に痛風を起こした人がいると、発症する可能性が高まることがわかっています。 遺伝的な要因の他、食生活が似ることも関係していると考えられます。 痛風が起きた時は、応急処置として、患部を少し高くして冷やします。揉んだりすると、かえって痛むようになるので要注意です。 痛風は、特に治療をしなくても、1〜2週間すれば治まります。しかし、体の尿酸が多すぎる状態を改善しなければ、何度でも再発する可能性があります。 必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

  • 男性である
  • 30歳以上である
  • 肥満がある
  • 外食やコンビニ食が多い
  • 食事の時間が不規則
  • アルコール飲料をよく飲む
  • ジュースや清涼飲料水をよく飲む
  • 甘いものが好き
  • ストレスが多い
  • 家族に痛風を起こした人がいる

■痛風の原因

血液中の尿酸が多い”高尿酸血症”に要注意

痛風の原因となるのが高尿酸血症です。血液中の尿酸の量を示す尿酸値が7.0mg/dlを超えると、溶けきれず、結晶ができやすくなります。 そこで、尿酸値が7.0mg/dlを超える場合を高尿酸血症とし、治療の対象としています。 高尿酸血症は、痛風を引き起こすだけでなく、他にも悪影響をもたらします。 尿酸が腎臓内に溜まることで腎臓の働きが低下し、腎臓病になる可能性があります。 尿酸の結晶が尿路にできると、激しい痛みを伴う尿路結石を引き起こします。 また、血液中の尿酸が多いと、血管壁を障害して、動脈硬化を引き起こします。 痛風の有無にかかわらず、高尿酸血症を改善することが大切です。 痛風を起こしていないけれど尿酸値が高い状態を、無症候性高尿酸血症といいます。 高尿酸血症のある人は約1000万人、痛風のある人は約100万人と推計されているので、およそ9割の人が無症候性高尿酸血症と考えられます。 痛風がないために尿酸値が高い状態を放置してしまい、気付いた時には腎臓病が進行してしまっていることも少なくありません。 痛風を起こしていなくても、尿酸値が7.0mg/dl超えていたら、受診して適切な対策を摂ることが大切です。


■痛風・高尿酸血症の検査

痛風かどうかや尿酸値が高くなった原因を調べる

高尿酸血症の検査は、目的によって大きく3つに分かれます。

▼痛風かどうかを見極める検査
血液検査では、尿酸値だけでなく炎症の有無を確認するためにCRP白血球の値も調べます。 腎臓の機能の状態を示す尿素窒素クレアチニンも調べます。 エックス線検査では、関節に骨の変形がないかを調べます。 症状が痛風と似ていて間違いやすい偽痛風や変形性膝関節症などの病気との鑑別にも役立ちます。

▼尿酸値が高くなった原因を調べる検査
血液と尿を調べる尿酸クリアランス検査では、血液中の尿酸がどれだけ尿に排泄されているかを調べます。 それにより、尿酸が作られ過ぎているために尿酸値が高くなっているのか、尿酸が腎臓から十分に排泄されないために高くなっているのか、 尿酸値が高くなっている原因がわかります。

▼合併症やその危険性を調べる検査
腎臓病や尿路結石などの有無を調べるために尿検査内臓のエコー検査が、狭心症や心筋梗塞の可能性を調べるために 心電図検査が行われます。また、心筋梗塞などの危険性を高める高血圧や脂質異常症、糖尿病などの有無を調べるために、 血液検査血圧測定なども行われます。


■痛風・高尿酸血症の治療

まずは痛みを抑え、場合によっては尿酸値を下げる薬を飲む

痛風を起こした人は、まずは関節の炎症を鎮めるため、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を痛みがなくなるまで服用します。 腎臓病などで非ステロイド性消炎鎮痛薬が使えない場合には、副腎皮質ステロイド薬が使われることがあります。 そして、痛みが始まったら、尿酸値を下げる薬が使われます。 痛風を起こしたことがないけれど、尿酸値が8.0〜9.0mg/dl以上と高い場合や、高尿酸血症が続いたことで腎臓病や尿路結石を起こしている場合は、 尿酸値を下げる薬が使用されることがあります。 薬物療法では、高尿酸血症が起きている原因に応じて、尿酸をできにくくするタイプの薬と、尿酸の排泄を促すタイプの薬が使い分けられます。 痛風は起きていないけれど尿酸値が7.0mg/dl程度で、合併症を起こしていない場合は、食生活の見直し、飲酒制限、適度な運動などの 生活改善に取り組みます。 痛風を防ぐには、尿酸値を6.0mg/dl以下に下げ、その状態を長期間維持することを目標にします。 実現できれば、関節内に溜まっていた尿酸値の結晶は溶け、痛風は起こらなくなると考えられています。 薬を使用している人も、生活改善に取り組むことが大切です。