65歳からの長寿食のススメ

65歳を過ぎたら”低栄養対策”を。「魚や豆腐」から「肉」を意識した食事に変更するなど、健やかな老後を過ごすために、食事の摂り方を見直してみましょう。

■食事の摂り方が長寿の鍵

高齢者の食事について考えるとき、「何をどのくらい食べるか」はもちろん重要ですが、食を巡る環境も大切です。 「口や歯」「胃や腸など消化器」「筋肉や骨」などの体の調子のほか、「食欲はあるか」「誰が料理して誰と食べるのか」などを含めた総合力を、 ”食力”といいます。食力を維持したり改善したりすることが、”「長寿食」に繋がっていくのです。


●メタボ対策から低栄養対策へ

近年、「肥満はよくない」「メタボリックシンドロームに注意」などと言われ続けているため、 逆に「高齢者が痩せていること」に対する危機意識が不足しているように感じます。 確かに働き盛りまでは、肥満予防を心がけることが必要です。しかし、65歳を過ぎたら、食事の見方を考えましょう。 「この飽食の時代に本当?」と思うかもしれませんが、日本の高齢者の約2割が低栄養と言われています。 低栄養になると、痩せてきて、急激な筋肉の減少(サルコペニア)や虚弱(フレイル)を招き、運動量の低下、免疫の働きの低下などにより、 病気になった時に治りにくくなったりします。また、外出が億劫になったり、料理や食事の意欲が低下して食欲がわかないなどの悪循環に陥ってしまいます。 「高齢者の痩せすぎは危険である」を知り、エネルギーやたんぱく質を不足なく摂れる食事が長寿食と心得ましょう。


●口と歯で元気に食べよう

口から元気に食べられることは、食事の喜びの重要なポイントで、心身に良い影響をもたらします。 歯を失ったままにしていないか、歯茎の具合はどうか、飲み込む力が低下していないかなど、口腔環境を見直し、 問題点があれば、歯科医などに相談して改善しましょう。 身体を起こして食事ができなかったり、茶わんや箸を自分の力で持てなかったりする場合は、少しでも改善するために、全身の健康を見直してください。 また食べるときはゆっくり噛むようにしましょう。食物の味を楽しめる、胃腸の負担を軽くして栄養素を効率よく吸収できる、 虫歯や歯周病を予防する、 脳を活性化するなどの利点があります。


●食力アップには何でも利用

飲食店、小売店、スーパーマーケット、コンビエンスストアなどが近くにあれば、時には外食や市販の総菜を取り入れるのもよいでしょう。 外出の機会が増えることにつながるほか、お店の人と良好な関係を築き、会話がはずんだり、食に関するアドバイスをもらえたりすることも期待できます。 また、配達や宅配食などの利用やサプリメントや 栄養素を添加した食品なども必要なら取り入れて、低栄養を防ぎましょう。
食べるときは、なるべく家族や友人知人など、誰かと一緒に食べることをお勧めします。 楽しい会話とともに食事をすることは、満足感や、社会性の維持に繋がります。 一人で食べるときも、例えば好きな器に盛りつけるなど、自分なりの楽しみを見つけるとよいでしょう。


■注意する食べ物は?、担当医に相談を

病気を治すためにも栄養は大切ですが、持病がある人は食事制限や薬と食べ物の「食べ合わせ」がある場合があります。 例えば腎機能が低下している場合は、塩分、たんぱく質、水分などの制限があります。 また、薬の副作用で、食欲が落ちることもあります。 注意すべき食べ物や必要量などは、病気の程度や服用している薬、体調など、一人一人の状況によって異なりますので、担当医との相談が必要です。 また、入院中は病院で栄養サポートが受けられますが、退院後の食事についても担当医に確認しておきましょう。