紫外線対策

紫外線を長期間浴び続けていると、皮膚がんや白内障などを発症しやすくなります。 日焼け止めなどの予防対策をしっかりして、皮膚や目などに異常がある場合は、医療機関を受診しましょう。
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紫外線対策

■紫外線の影響

光老化や免疫の働きの低下などが起こる

『紫外線』は、5〜8月にかけて強くなります。紫外線は、体内でビタミンDを作って骨を丈夫にするなどのよい働きをする一方で、 皮膚などに悪影響を及ぼします。地表に届く紫外線には、UVAUVBがあります。 UVAは真皮まで入り込みますが、危険度はあまり高くないとされています。 ただし、大量に浴びると、皮膚の細胞を傷つけます。UVBは真皮の一部までしか届きませんが、影響はUVAより強いとされています。 紫外線による悪影響には、光老化免疫の働きの低下、目の異常、皮膚がんが起こりやすくなるなどがあります。

▼光老化
長期間紫外線を繰り返し浴び続けることで、顔や首、手の甲などの皮膚が変化することを光老化といいます。 健康な皮膚の真皮は、コラーゲンを主成分とする膠原繊維が網目状にきれいに並び、エラスチンを主成分とする弾性繊維が皮膚の弾力性を保っています。 光老化が起こると、真皮の膠原繊維が減少したり、異常な弾性繊維が増え、浸みや深いしわができる、皮膚が黄ばむ、皮膚が厚くなる、 光沢がなくなり乾燥するなどの変化を起こします。また、良性の腫れものである脂漏性角化症ができやすくなります。 治療には、液体窒素冷凍凝固術とレーザー焼灼療法があります。

▼免疫の働きの低下
大量に紫外線を浴びると、免疫の働きが低下して、口唇ヘルペスが起こりやすくなります。 以前に感染して体内に潜んでいたヘルペスウィルスが、免疫の働きが低下すると再活性化し、唇やその周辺に水泡が現れます。 軽症であれば、抗ウィルス薬の塗り薬、中等症以上であれば抗ウィルス薬の飲み薬で治療します。

■紫外線による目の異常

紫外線が角膜や水晶体に吸収されて悪影響を及ぼす

紫外線は、目の異常を引き起こすことがあります。紫外線の大半は目の表面の角膜(黒目)で吸収され、次に目のレンズの役割を担う水晶体で吸収されます。 紫外線の影響で起こる主な目の異常に、紫外線角膜炎翼状片、白内障があります。

▼紫外線角膜炎
雪山など紫外線の反射が強い場所で起こる「雪眼」がその代表です。角膜の表面に点状の傷がたくさんでき、白目の充血や異物感などがあり、 ひどくなると目が痛みます。多くは2〜3日で自然に治ります。

▼翼状片
白目の表面を覆う結膜が翼状に黒目に侵入する病気です。進行は早くありませんが、翼状片が瞳孔(瞳)近くまで進むと、 視力障害を招く恐れがあります。

白内障
白内障は、目の水晶体の繊維が破壊されて濁り、網膜まで光が届きにくくなって、見え方の質が低下していく病気です。 進行すると失明することもあります。治療は、水晶体を眼内レンズに置き換える手術などを行います。

目の異常に気付いたら、眼科を受診してください。


■紫外線による皮膚がん

紫外線による影響で、皮膚がんが発症しやすくなる

紫外線の影響で起こる主な皮膚がんには、有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)があり、 一般的に50歳以降に増加する傾向があります。

▼有棘細胞癌
顔や頭、手足に発症しやすいがんです。イボと間違われやすいのですが、イボより急に大きくなったり、盛り上がったりします。 放置すると転移する可能性があります。有棘細胞癌の前段階である日光角化症にも注意することが大切です。

▼基底細胞癌
日本人に多い皮膚がんです。発症しやすい場所は、首から上、特に顔です。 ほくろと似ていますが、徐々に大きくなり、表面が黒くテカテカと光り、中央がややくぼんでいます。 転移の可能性はかなり低いのですが、進行すると皮膚の奥に入っていきます。

▼悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性度が高く、進行が速いものが多い、転移しやすいがんです。発症しやすい場所は、足の裏や手のひら、爪と皮膚の間などです。 ほくろと似ていますが、色が黒いところと薄いところがあり、色がにじんでいるように見えて周りの皮膚との境がはっきりしません。 しばしば穴が開いたり、出血したりします。

これらの皮膚がんの治療は、手術によるがんの切除が基本です。有棘細胞癌と悪性黒色腫は、手術と抗癌剤治療を組み合わせることがあり、 有棘細胞癌では放射線治療を行うこともあります。


■紫外線対策

紫外線をなるべく避けて、日焼け止めで皮膚を守る

紫外線対策には、紫外線の強い時間帯(特に午前11時〜午後1時)の外出を避ける、日陰を利用する、帽子や日傘を使う、サングラスをかける、 レンズに紫外線量を抑える機能のある眼鏡を使う、長そでや長ズボンを着用するなどがあります。 ただし、暑い時期に通気性の悪い長袖や長ズボンでいると、熱中症を起こす恐れがあるので無理のない範囲で着用しましょう。 また、曇りの日や室内の窓際でも紫外線は届いているので、注意をしてください。

日焼け止めには、顔や体用のクリームローション唇用のものなどがあります。 唇は、顔や体用の日焼け止めでは刺激が強いため、唇用を使用してください。 日焼け止めには、SPF値PA分類の表示があります。 SPF値は、UVBによる日焼けをどの程度の時間防げるかを示します。数値が大きいほど効果が高く、日本では最も効果が高いのが50+です。 PA分類は、UVAに対する効果を+の数で示し、日本では最も効果が高いのは++++です。 全ての状況でSPF値が50+、かつPA分類が++++のものを使う必要はなく、使う環境に応じて使い分けましょう。 塗り方は、適量の日焼け止めを手のひらにとり、厚めに均一に延ばします。