【質問】長時間歩くと足が痛くなります

最近、膝が痛くて、数年前より介護靴を履いています。しかし、長い時間歩くと、足の裏や指が痛くなります。 どんな靴を選べばよいのでしょうか。
●70歳代・女性


【答】

ご質問者は、膝の痛みはあるものの、長時間歩くことができる方のようです。 このような方が履くには、介護靴はあまり適していないと思います。 介護靴(リハビリシューズ)は、主に加齢や病気により介護が必要となった方を対象に、短時間の歩行や室内でのリハビリテーションに適したように作られており、 脱ぎ履きしやすく、軽く柔らかいものが一般的です。 長く安定した歩行のためには、足のブレやぐらつきを防ぐサポート構造を持ち、衝撃吸収力がある靴が適しています。 具体的には、かかとを覆う部分や土踏まずに当たる部分にしっかりとした補強芯が入っていること、靴底に適度な痛みがあることがポイントです。 靴を買うときは、かかとの部分を掴んでみて潰れないこと、靴全体を少しひねってみて簡単にねじれないことを確認しましょう。 また、必ず試し履きをして、靴のサイズや形が足に合っているかどうかチェックをすることも大切です。 しかし、注意して買っても、購入後に合わない部分に気づくこともあると思います。 靴で失敗することが多い方、どのような靴がいいかわからないという方は、 靴選びと調整技術を持った専門家である「シューフィッター」に相談することをお勧めします。

靴は履き方も大切です。かかとを靴の一番後ろに合わせ、ひもやベルトなどの固定具をしっかりと締めて、足と靴がずれないようにします。 ご質問者のように、歩いた後に足の裏や指が痛くなるのは、足に加わる荷重が前後や内外に偏っていることや、 足の筋や腱の過度な緊張が原因であることが多いようです。 このような場合は、足に合った靴を正しく履き、腕を前後に振って歩くことで歩行時の体重移動がスムーズになると、改善が期待できます。

また、膝の痛みの原因として最も多い 変形性膝関節症の患者さんの場合、 膝関節の変形に伴って足の外側への体重の偏りが多くみられます。 この場合は、靴の中に入れる中敷き(インソール・足底装具)を加工して負荷の位置を調整したり軽減することで、 膝と足の痛みを改善できる場合もあります。かかりつけの整形外科医に、装具処方の適応となるかどうかを相談されるのもよいと思います。

(この答えは、2020年3月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)