■質問:手指の痛みを軽減する方法を教えてください

昨年6月、ばね指の手術(左手中指の付け根)を受けました。 この時と同様の痛みが、今度は右の中指と薬指の第2関節に現れて困っています。 特に深夜2~3時ごろに急に手を握り締めたようになり、痛くて目が覚めます。 また手術をするしかないのでしょうか。
●60歳代・男性


【答】

指を曲げたり伸ばしたりする時に動く腱(屈筋腱)は、靱帯性腱鞘というトンネルのような組織の中を通っています。 指を曲げた状態から伸ばしていくときに、靱帯性腱鞘を通る屈筋腱が引っ掛かって指が伸びなくなり、無理に伸ばそうとすると 弾けるように指が伸びる現象(弾発現象)を「ばね指」といいます。 腱鞘炎によって腱鞘が肥厚して内側が狭くなり(狭窄性腱鞘炎)、さらにその中を通る屈筋腱が腫れて太くなると、 屈筋腱の動きが悪くなるために、引っ掛かりや痛みが生じます。 ばね指は中年以降の女性に多く発症しますが、男性にも見られます。 手作業をよく行う人に多く発症することから、パソコン作業や楽器の演奏などによる手指の使い過ぎや機械的刺激の繰り返しなども発症の一因と考えられています。 痛みを伴う弾発現象があって、腱鞘部に圧縮があれば、ほぼ、ばね指と診断されます。 治療は、初期であれば、手をなるべく使わないようにして、消炎鎮痛のための貼り薬や塗り薬を使うことで改善することもあります。 これで改善しない場合は、局所麻酔薬とステロイド薬を混ぜて腱鞘内に注射を行います。 ただし、この注射は感染の危険性があるので、糖尿のある方は注意が必要です。 腱鞘内注射を数回行っても症状がよくならない場合は、手術を検討します。 屈筋腱を圧迫している靱帯性腱鞘を切開する手術で、局所麻酔で行える比較的簡単な手術です。 複数の指、あるいは、両手の指がばね指になることも稀ではありません。 ご質問者は、すでに左手中指のばね指手術を受けており、同じような痛みが右手の中指と薬指に現れたということは、 これらの指に狭窄性腱鞘炎が起こっている可能性が高いと思われます。 弾発現象は見られなくても狭窄性腱鞘炎が起こっていれば、前述したような治療が行われます。 ただし、「深夜に指の第2関節の痛みで目が覚める」というのは、狭窄性腱鞘炎に典型的な症状とはいえません。 他の病気の可能性もありますので、早目に担当医に相談することをお勧めします。

(この答えは、2019年5月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)