■質問:長く歩いた後に股関節が痛くなりました

普段はあまり歩かないのに、昨年暮れに1万2000歩ほど歩いたら、左の股関節が痛くなりました。 生活に支障を来すほどだったので整形外科を受診しました。 エックス線検査で異常はなく、その後、痛みは治まりましたが、最近、また痛むことがあります。 放っていても大丈夫ですか?
●45歳・女性


【答】

股関節は、ボール状の大腿骨頭が寛骨臼という骨盤のくぼみにはまり込んだ構造をしています。 関節の部分は、関節包という袋や種々の靱帯で強く連結されています。 関節包の内側にある滑膜から分泌される滑液は、軟骨に覆われた関節表面の動きを滑らかにする潤滑液の役目をしています。 また、寛骨臼の縁には関節唇という線維性の組織があり、股関節を安定させる働きをしています。 股関節の周囲には下肢を動かすための筋肉組織が多数あるほか、大腿神経、坐骨神経、閉鎖神経などの様々な神経が走行しています。 股関節に何らかの問題があると、これらの神経が支配する部分に痛みが生じることもあります。 また、痛みが発生するタイミングによっては、腰椎の病気との鑑別が必要な場合もあります。 このように、一口に股関節痛といっても原因はさまざまで原因を特定するのが難しいことも少なくありません。

ご質問者は、慣れない長時間歩行の後に強い痛みが生じたとのことですが、一般的にスポーツや長時間労働などで股関節に力が加わると、 関節芯に傷がつく、周囲の筋肉に炎症が生じる、滑液が余分に産生されて関節包が腫れる、大腿骨頭に骨髄浮腫が生じるなどによって、痛みが現れることがあります。 ご質問者の場合、エックス線検査では異常がなかったようなので、骨形態や骨組織に問題はなさそうです。 エックス線画像には写らない筋肉や靱帯などの軟部組織に炎症などが起きているのかもしれません。 一般的に、痛みの緩和や股関節の機能改善には、関節包や関節周囲の筋肉のストレッチが有効だとされています。 効果を得るためには、理学療法士の指導の下で、運動療法と併用して行うのがよいでしょう。 また、いったん痛みは治まったということなので大きな心配はないと思いますが、再燃した痛みが長引くような場合は、 関節内の軟骨が徐々に痛んでいることなども考えられるので、股関節診療を専門に行っている医師を受診されることをお勧めします。

(この答えは、2019年6月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)