質問:認知症の夫が治療を受けてくれません

認知症の夫は病院が怖いようで、入院しても点滴を抜いたり暴れたりして、治療に協力してくれません。 入院を勧められても、本人は「しない」と言って聞きません。 夫に病気の治療を受けさせる良いアイデアを教えてください。 また、家族はどのように接すればよいのでしょうか。


【答】

認知症のご主人が治療や入院を断固として拒んでいらっしゃるのですね。 もし、御主人が治療の説明を聞くことさえ拒否しているのであれば、あなたが代わって情報を集める必要があります。 入院や治療のメリットとデメリットをあなたが知らなければ、御主人への説得にも当たれないでしょう。 ただ、あなた一人ですべてを抱え込むのは大変だと思います。医療機関に信頼できる人はいるでしょうか。 医療機関以外にも相談できる友人などがいるとよいと思います。

御主人は恐怖感から点滴を抜いたり暴れたりするということですが、そのような行動はご主人の性格からありそうなことでしょうか。 いくら恐怖感があるとはいえ、そこまでするのは理解できないというのであれば、「せん妄」が起きているのかもしれません。 せん妄とは、意識障害に不安、混乱、幻覚などを伴った状態のことです。 高齢者に見られることが多く、脳血管性認知症であったり、 病気があったりする場合は、せん妄を繰り返す傾向があるとされています。 せん妄ではない場合、ご主人の入院への恐怖感はどこにあると考えられるでしょうか。 例えば、以前の入院で体をひものようなもので縛られた経験がある場合は、次の入院の恐怖はさらに強くなると思います。 また、治療内容が怖い、あるいは、入院という不自由な生活が嫌だという場合もあるでしょう。 状況をよく理解できずにただ拒否しているような場合は、入院や治療について、できるだけ具体的に説明してもらうことが必要です。 ただし、周囲が入院させようとしていることに反発し、とにかく入院から逃れたいという気持ちになってしまっていては、話し合いになりません。 まず、ご本人に入院をいったん中止することを伝えて、ゼロから話し合いを始めてはいかがでしょう。 治療につなげる説得の方法としては、「あなたの健康のため」と助言するか、「私の安心のため」とお願いするか、 「すでに決まったこと」と指示するか、お二人の長年の信頼関係や愛情関係などを考えて決められるのがよいと思います。

(この答えは、2019年6月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)