癌の予防・対策『血液衰弱の改善』

』は遺伝病とも言われていますが、それは誤りで、 癌の9割以上は乱れた生活習慣が作る「癌体質」が原因の生活習慣病です。 したがって、癌の予防のためには、生活習慣を改善することが肝要です。 癌体質の正体は、血液中に毒物が増える『血液衰弱』で、血液衰弱は、細胞の癌化や免疫力低下の元凶となります。


■癌の現状

2人に1人が癌になる

命に関わる難治の病気といわれて誰もが思い浮かべるのは、やはり『癌』でしょう。 日本における癌の発病率・死亡率は、今も増加の一途をたどっています。 人口10万人に対する死亡率は、脳血管障害と心臓病のそれを大きく上回ってトップを保っています。 また、癌は日本人の死因の第一位でもあります。 しかも、脳血管障害と心臓病の上がり方はほぼ横ばいであるのに対し、癌による死亡率は上がり続け、 現在ではその二つの病気の死亡率の約2倍に達しています。 そして、日本人の2人に1人が癌になり、3人に1人が癌で命を落とすとさえ言われるようになっています。 また、癌による死亡率の上昇傾向は今後も続き、2020年には、癌による死亡者数は男性で約30万人、女性で約17万人、 計47万人にも達すると予測されています。 これらのことからわかるように、癌は誰もが発病する危険性をはらむ非常に身近な病気といえます。 癌はもはや他人事ではありません。現在、癌と闘っている人だけに限らず、今は健康で癌とは無縁だと思っている人も、 癌の予防に真剣に取り組む必要があるのです。


●癌の原因

遺伝で起こる癌は癌全体のわずか5%

人間が癌になる原因については、「癌は細胞の遺伝子に異常が起こって発生する」という知識があるせいか、 「癌は遺伝病である」という間違った考えを持っている人も多いようですが、実は、ほとんどの癌に遺伝は関係ありません。 確かに癌の中には遺伝性のものもあります。網膜芽細胞腫は遺伝性の癌として有名です。 乳癌、大腸癌、甲状腺癌、前立腺癌の中にも病名に「家族性」という言葉が付く、遺伝によって起こるものがあります。 とはいえ、これらの癌の発病率は癌全体の5%程度に過ぎず、残りの9割以上は、後天的な原因によって発病するのです。


●癌は生活習慣病

食生活の乱れや睡眠不足が癌体質を招く

癌のほとんどが遺伝性のものでないとすると、いったい何が原因で生じるのでしょうか。 その答えはズバリ、「生活習慣の乱れが招く癌体質」です。 最近になって癌は、生活習慣病の一種と考えられるようになっています。 つまり、親子で同じ癌になると、つい遺伝と考えられてしまいがちですが、実はそれは親から子へ癌を招きやすい 生活習慣が引き継がれているためなのです。

具体的に見ると、まずあげられるのが「食生活の乱れ」です。 最近では、日々の生活が忙しくなっていることもあって、食事の時間が不規則になる人が大勢います。 また、レトルト食品やインスタント食品を多食する人も増えています。 これらの食品を摂りすぎると、ビタミンやミネラルなどの栄養素が乏しくなり、体のさまざまな器官が衰えていきます。 さらに、食事の欧米化や偏食などによって、栄養面に大きな偏りが生じる場合も多く見受けられます。

「睡眠不足」も問題です。睡眠は私たちの心身両面を癒す大切な営みです。 ところが最近、日本人の生活はどんどん夜型に移行し、睡眠時間も減少の一途をたどっています。 当然ながら、そのせいで体の働きもどんどん低下していきます。

さらに、「運動不足」の人も増えています。運動は体のさまざまな機能を正常に保つ作用を備えているので、 運動不足に陥ると体の不調を招きます。

仕事や人間関係などによる「ストレス」の増大も見逃せません。人間の心と体は不可分の関係にあり、 精神的なストレスは体にも確実に悪影響を及ぼします。

このように、私たちの生活習慣は、近年、大きく乱れ始めています。そして、そうした生活習慣の乱れに伴って、 私たちの体は癌の発病を招きやすい癌体質に陥っていくのです。


●血液衰弱から癌体質へ

生命活動を支える血液が衰えて発癌を招く

癌の原因は、現代人が陥りやすい生活習慣の乱れにあります。 生活習慣の乱れによって体のさまざまな機能が低下し、体質そのものが癌になりやすい「癌体質」 へと変わっていくのです。最近になって癌が生活習慣病の一種と考えられるようになったのも、 そうした認識が広まった結果といえるでしょう。

それでは、「癌体質」とは、具体的にどのような体の状態を 指すのでしょうか。ひと言で言えば、癌体質の正体は、私たちの生命を支えている血液が、本来の機能を十分に果たせないでいる 「血液衰弱」です。よく知られているように、私たちの体は60兆個もの細胞によって構成されています。 血液は全身の細胞に栄養や酸素を運んだり、生命活動によって生じた老廃物を回収して汗や尿として排泄したりする 働きを担っています。つまり血液は、私たちの生命活動そのものともいうべき、細胞の新陳代謝を支える働きを 担っているのです。 血液の役割はそれだけではありません。例えば細菌やウィルスなど、体内に異物が侵入してきたときには、 血液に含まれる白血球が免疫機能を発揮し、細菌やウィルスから体を防御します。

このように、体にとって非常に重要な役割を担う血液がさまざまな原因によって極度に衰えると、当然のこととして、 これらの働きがうまく行われなくなります。そして、こうして血液衰弱の状態に陥ると、私たちの体質そのものが、 癌を発生させやすい癌体質に変わってしまうのです。


●血液衰弱とは?

冷えやストレスが癌体質を招く

「血液衰弱」とは、簡単にまとめると、血液中に老廃物や余分な脂質、糖が過剰に増えたり、血流が著しく低下したり、 血液に含まれる白血球の働きが衰えたりして、全身の細胞への栄養と酸素の供給や、免疫機能などの、 血液が本来担っている働きが十分に行われていない状態をいいます。 もう少し詳しくいうと、次のようになります。

私たちの体では日々、新陳代謝が行われていますが、、その代償として、さまざまな老廃物が血液中に産出されます。 代表的な老廃物としては、尿酸や尿素、窒素、クレアチニン、乳酸、ピルビン酸などがあります。 これらは体に悪影響しか与えないという点で、「毒物」といってもいいかもしれません。 何らかの原因で老廃物が血液中に大量に増えると、全身の細胞は、いわば毒に満たされた状態に陥り、 本来の営みを行うことができなくなります。そのため、細胞はどんどんと弱っていき、細胞に含まれる遺伝子の損傷や 細胞のコピーエラーが起こりやすくなって、細胞の癌化が促されるのです。 また、冷えや運動不足が原因で血流が滞ると、全身の細胞に栄養や酸素を十分に運べなくなります。 細胞に栄養や酸素が供給されなければ、やはり、細胞は十分な活動を行うことができず、細胞自体が衰えて、 癌化しやすくなります。 食生活が乱れて血液中に脂肪や糖が過剰に増えた場合も、血液そのものがドロドロと汚れて同様に血流が滞り、 細胞の栄養不足や酸素不足を招き、癌化を促します。 さらに、ストレスによって免疫力の源ともいえる白血球の働きが衰えると、当然、癌細胞を撃退する力も弱まり、 癌の発生を許してしまうことになります。


●血液衰弱の原因と解消法

血液衰弱を解消し、癌と無縁の人生を送ろう

ちなみに東洋医学には、こうした血液衰弱と似た考え方として、血液が汚れた状態を示す「お血」 という言葉があります。お血は万病の原因と考えられ、病気にかかった場合、その病気の種類を問わず、 血液の汚れを取り除くことに治療の主眼が置かれます。 当然ながら、こうした考え方は、癌の予防にもそのまま当てはまります。 癌にならないためには、何よりもまず、癌体質の正体といえる血液衰弱を解消する必要があるのです。 以下に、血液衰弱を招く四つの原因を取り上げ、それらの原因を取り除いて癌を未然に防ぐ方法を紹介します。