【質問】「酒さ」の再発を繰り返しています
20年ほど前から顔にブツブツができて悩んでいます。皮膚科で「酒さ」と診断されました。
ビブラマイシンを内服すると3週間ほどでよくなりますが、服用を中止すると、またブツブツができてきます。
再発しないようにするにはどうすればよいでしょうか。
●60歳代・女性
【答】
「酒さ」は、主に中高年の顔面に生じる慢性炎症性症候群です。 いわゆる赤ら顔になる「紅斑毛細血管拡張型酒さ」、赤ら顔の上にニキビのようなブツブツができる「丘疹嚢胞型酒さ」、 鼻が瘤のように大きくなる「鼻瘤」の3種類に分けられます。 ”酒さ”という文字から”大酒豪”をイメージする方もいるかもしれませんが、飲酒は悪化因子の一つに過ぎず、お酒を飲まない人でも酒さになります。 治療法は症状によって異なります。ご質問者の場合は、症状から丘疹嚢胞型酒さだと思われ、この場合はドキシサイクリン(ビブラマイシン)などの テトラサイクリン系の抗生物質の内服が有効です。ただし、抗生物質を中止すると再発することが多く、抗生物質の長期投与が問題となることがあります。 紅斑毛細血管拡張型酒さの場合は、赤あざ用のレーザーを使った治療がありますが、再発することもあります。 また、鼻瘤の場合は、炎症があれば抗生物質の飲み薬を使い、鼻が隆起している場合は炭酸ガスレーザー(レーザーメス)などを用いた治療を行います。 なお、酒さに対するレーザー治療は健康保険の適用外です。
酒さの症状を悪化させる因子には、紫外線、外気温の急激な変化、 刺激のある食べ物やアルコールの摂取などがあります。 日常生活ではこれらをできるだけ避けるようにしましょう。 また、適切な日焼け止め(サンスクリーン剤)や、低刺激性の洗顔料、保湿ケア製品などを使用して、病変部への刺激を減らすことも大切です。 丘疹嚢胞型酒さに対して、海外にはいろいろな塗り薬がありますが、日本で入手可能なものはアゼライン酸含有の化粧品です。 アゼライン酸含有化粧品を使いながら、ドキシサイクリンを内服し、内服中止後も塗り薬を継続することで再発を予防することができますが、 なかには抗生物質がやめられない方もいます。治療の目標は、快適な生活を送れるようにすることですので、症状がある程度改善したら、 顔の赤みはメイクでカバーするすることをお勧めする場合もあります。
(この答えは、2019年10月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)