【質問】鼻血が出るとなかなか止まりません

鼻血が時折出て、一度出るとなかなか止まりません。 「止まったかな」と思って動くと、また出てくるのです。 6時間たっても止まらず、救急車を呼んだこともあります。鼻の中を焼いてもらうと治るのでしょうか。
●70歳代:女性
●降圧薬、サルポグレラート塩酸薬を服薬中


【答】

高齢者の鼻出血(鼻血)には、 いくつかの原因があり、原因によって処置の方法が異なります。 最も多いのは、キーセルバッハ部位と呼ばれる鼻腔前方からの出血です。 ここは多くの血管が集まっているうえ、外部からの刺激で傷つきやすいため、鼻出血が起こりやすい部分です。 また、一度傷つくと、しばらく鼻出血を繰り返すこともあります。 ただ、出血は比較的止まりやすく、鼻翼(小鼻)を指で4~5分間押さえておくと大体止血します。 抗血栓薬を内服している場合は止血しにくいことがありますが、やはり基本は圧迫止血です。 耳鼻咽喉科を受診して電気や薬で傷を焼灼すると、早めに止血できる場合もあります。
また、高齢者に時々見られるのが鼻腔後方からの動脈性の出血です。出血量が多く、喉に回る量も多いのが特徴です。 出血した動脈は、時々攣縮を起こして止血するので、出血が止まる時間帯もありますが、再び出血することが多いです。 鼻翼を抑えても止血しない場合が多く、耳鼻咽喉科での処置が必要になります。 鼻腔にガーゼを数日間挿入して止血を図りますが、出血が多いときは入院し、鼻腔後方で特殊な風船を膨らませて止血させることもあります。 最近では全身麻酔で行う鼻の内視鏡手術によって、出血している動脈を直接止める治療(電気凝固止血)も行われています。
また、頻度は低いのですが、鼻の腫瘍によって鼻出血が起こる場合もあります。 この場合は、しっかりと診断したうえで腫瘍の治療を行うことが必要です。

ご質問者の場合は、出血が喉に回るほどではなさそうなので、キーセルバッハ部位からの出血と思われます。 抗血栓薬を内服されているので、少し長めの圧迫が必要と思われます。 あまり繰り返すようであれば、粘膜を焼いてもらうのも一つの方法だと思います。 また、鼻出血一般にいえることですが、予防には「お風呂などでのぼせない」「お酒や激しい運動は避ける」 「鼻を強くかまない、いじらない」「鼻粘膜を荒らさないようにマスクをする」などを心掛けてください。

(この答えは、2020年5月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)