【質問】足の痺れがひどく、杖と手摺りがないと歩けません
脊柱管狭窄症の手術を受けて13年ほどになります。
足の痺れがひどく、足の裏がとても不安定です。麻痺に近い状態で、杖と手摺がないと歩けません。
医師には「神経の傷が古くなったのかもしれない」と言われています。
リハビリをしていますが、よくなる方法はありますか?
●80歳代・女性
【答】
「脊柱管狭窄症」とは、
背骨の中の神経が通る管(脊柱管)が加齢による変化などで狭くなり、神経が圧迫されたり、神経の周囲の血流が悪くなったりする病気です。
お尻から足にかけての痺れや痛みが引き起こされ、歩行が困難になったり、尿や便が出にくくんったりすることもあります。
ご質問者は、手術から約13年が経過していますので、背骨の手術した箇所やその上下の部分で、また脊柱管が狭くなっている可能性もあります。
一度、MRI検査を受けて、現在の脊柱管の状態を調べてもらうとよいでしょう。
著しい狭窄が見つかった場合は、再度、手術をして脊柱管を広げることもありますが、
本当に再手術が必要かどうかについては、専門医の説明をよく聞いて判断する必要があります。
狭窄がそれほどひどくない場合や、手術の適応ではないと判断された場合は、薬物療法や理学療法(リハビリ)を行うことになります。
ご質問者の場合は、長年の脊柱管の狭窄により、神経自体が障害を受けている可能性もあります。
神経のダメージによる痛みや痺れは、「神経障害性疼痛」と呼ばれます。
近年、神経障害性疼痛に有効な薬(プレガバリンやミロガバリン)が登場していますので、意思に相談してもらうとよいでしょう。
ただし、ふらつきや眠気などの副作用があるので、使用の際は十分な注意が必要です。
現在、リハビリをされているとのことですが、運動量穂は筋力低下を予防するほか、
体を動かすこと自体に慢性的な痛みや痺れを抑制する効果があることがわかっていますので、ぜひ継続してください。
また、意思や理学療法士のアドバイスを受けながら、痺れや痛みとうまく付き合っていくことも大事です。
脊柱管の狭窄は、少し前屈みを姿勢で和らぎますので、歩行の際は高齢者向けの手押し車(シルバーカー)を使用することをお勧めします。
家族やホームヘルパー(訪問介護員)などの助けも借りて、徐々に歩行の動作を改善していきましょう。
(この答えは、2020年8月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)