■帯状疱疹後神経痛の痛みを抑えるよい方法はありますか?
【答】
帯状疱疹後神経痛の症状は人によって異なります。 主に以下のような治療が行われますが、効果のある治療法も人によって異なるため、自分に合った治療を見つけることが大切です。
- ▼薬物療法
- 脳内神経伝達物質の量を調整する抗うつ薬(三環系抗うつ薬など)、神経障害性疼痛緩和薬、鎮痛薬のオピオイド、抗てんかん薬などが使われます。 他に漢方薬などが使われることもあります。
- ▼局所療法
- 薬を塗布してから微弱な電流を皮膚に流して薬の浸透を促すイオントフォレーシスや、 炎症を抑える低出力レーザー治療などがあります(いずれも保険適用外)。
- ▼神経ブロック
- 痛みを感じる神経の周辺に局所麻酔などを注射し、神経の働きを一時的に止めます。ペインクリニックや麻酔科で受けることができます。
帯状疱疹の痛みが非常に強かった場合には、その痛みが脳に鮮明に記憶され、のちに実際の痛みとして再現されてしまうことがあります。
これを避けるためには、帯状疱疹の発症直後から適切に鎮痛薬を使い、できるだけ痛みを感じないようにして、
脳に痛みの記憶が残らないようにすることも大切です。
また、一般に、何かに夢中になっているときは痛みを忘れているものですが、
帯状疱疹後神経痛では、このような痛みをコントロールする脳の機能が一時的に働かなくなっていると考えられます。
何か興味のあることに没頭するのは、この機能を回復させるのに役立つと考えられています。
痛みがあるからといって家に閉じこもって安静にしているより、なるべく体を動かした方が、痛みにはよい影響があります。
日常生活の中でできる範囲で体を動かすことから始め、外出にも積極的に取り組みましょう。
痛みをコントロールする脳の機能が回復し、できることの幅が広がり、筋力の低下も予防できます。
このようなことに取り組んでいるうちに、多くの人はやがて徐々に痛みが気にならなくなっていきます。
なかなか改善せず、つらい症状が持続することがあるかもしれません。
しかし、時間がかかっても必ず改善すると考え、諦めずに取り組むことが大切です。
(この答えは、2019年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)