バセドウ病

■バセドウ病の症状と特徴

主な症状は、甲状腺の腫れ、動悸、目が出てくるなどの顔つきの変化です。 他には、手の震え、汗をかきやすくなる、体重減少、下痢、倦怠感などがあります。 20~30歳代の女性に多く、男女比は1対5~10です。 甲状腺ホルモンの増加によって新陳代謝が活発になり過ぎるために、静かにしていても動悸が起こり、少し運動しただけで息切れします。 また、自律神経の緊張が高まるので、安静にしていても手の指などが震えます。 少し動いただけでも疲れやすく、寝つきや寝起きが悪くなったり、集中力の低下もみられます。 甲状腺は、首の前方の中央下部に位置する器官で、蝶が羽を広げたような形をしています。 これがそのままの形で腫れてきます。


■バセドウ病の原因

血液中に甲状腺を刺激する異常な物質(甲状腺刺激抗体)ができ、それによって甲状腺ホルモンが過剰分泌することで発病すると考えられています。 からだは「抗体」という物質を作り、体外から侵入してくるウィルスなどの異物に対抗しています。 このような防御機能を「免疫」と呼びます。 正常な状態であれば、自分自身の正常な細胞や組織に対して抗体を作ることはないのですが、 バセドウ病になると、甲状腺刺激ホルモンの受容体に結合する抗体がつくられ、甲状腺を刺激するようになってしまいます。 このような、免疫機能に異常が起こる病気を自己免疫疾患と呼びます。


■バセドウ病の治療

薬で甲状腺ホルモンの合成を抑える薬物療法、放射性ヨードを服用して甲状腺を破壊するアイソトープ療法、 甲状腺を切除し、ホルモン分泌を抑える手術療法が主な治療法です。