大動脈縮窄症

■症状と特徴

生まれつき、胸部大動脈が狭くなっていて(狭窄)、血液が十分流れない状態です。 頻脈、多呼吸、体重増加不良などの症状があり、放置しておくと命にかかわります。 程度が強くても症状が現れないこともありますが、油断は禁物です。 心室中隔欠損症や動脈管開存症を併発していることがあります。 狭窄のために流れなくなってしまった血液は、動脈管を通じて全身に供給されますが、動脈管が閉じると、 全身に供給される血液の量が足りなくなり、ショック状態を起こします。


■治療

狭窄の程度が高度で、下半身への血液供給が動脈管に依存しているときには、新生児期に手術をしなければなりません。 ショック状態となった場合は、救命処置を施しながら手術可能な状態になるまで回復させる必要があります。 手術前には、薬を使って動脈管開存症が自然に閉じないようにします。 手術後、再び狭窄が発生することがあり、この場合は、カテーテルを用いて血流を確保します。