大腸癌の予防に『乳酸菌』
癌予防には、腸の免疫力アップが肝心
「大腸癌」はもともと欧米人に多い癌でしたが、近年では日本人にも増加の一途をたどっています。 その最大原因として、食生活の欧米化が考えられています。 最近の日本人は、動物性の脂肪を摂る量が増え、反対にビタミン・ミネラル・食物繊維を摂る量が不足しています。 こうした欧米型の食事を摂り続けていると便秘になり、便が大腸にとどまる時間が長くなります。 その結果、便に含まれる発癌物質などの老廃物が大腸にたまり、大腸癌を引き起こすことになると考えられているのです。
では、大腸癌を防ぐ秘訣は何かというと、欧米型の食生活を改めると共に、腸の善玉菌を増やすことが第一です。 私たちの体の免疫力を働かせる主役になるのは、「白血球」という免疫細胞です。 白血球は全身のさまざまな器官で働いていますが、実は、その半分以上は腸の粘膜の襞に密集し、活躍しています。 小腸は、私たちが飲食したものを消化・吸収する働きをしています。 もし、私たちが食べたものに、発癌の要因になる細菌やウィルスなどの異物が混じっていれば、 小腸に吸収されて全身の細胞をめぐり、癌の芽を生む原因になります。 それに対抗するために、腸には白血球が集まっていて、異物との闘いを繰り広げながら癌細胞ができるのを 未然に防いでいるのです。 そして、さまざまな癌の中でも、特に大腸癌を防ぐ上では、腸の善玉菌を増やして腸の「免疫力」を強めることが 何よりも重要です。そのために最も効果的なのは「乳酸菌」をたくさん補うことです。
私たちの腸には、約100種100兆個もの腸内細菌が棲み着いています。 腸内細菌には、体に有益な働きをする善玉菌と、体に害をもたらす悪玉菌があり、 腸内では両者が絶えず勢力争いを続けています。 そのうち、乳酸菌などの善玉菌が増えると白血球の働きが強くなり、細胞の癌化の予防に役立つのです。 また、乳酸菌には、発癌物質そのものの毒性を失わせる働きもあることがわかっています。 さらに、乳酸菌を摂ると、大腸癌の原因ともなる便秘の解消にも効果的なので一石二鳥です。
■効果的な乳酸菌の摂り方
ヨーグルトにバナナやオリゴ糖を加える
善玉菌の代表格である乳酸菌が豊富な食品は、「ヨーグルト」です。 実際、ヨーグルトを毎日食べると、腸内の乳酸菌が1週間ほどで25%以上も増えることがわかっています。 また、米国では、ヨーグルトの常食によって大腸癌が減ったという調査報告もあります。 ただし、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸に長くとどまることができません。 癌予防の効果を期待する場合は、1日300g以上のヨーグルトを毎日食べる必要があります。 さらに、より効果的にヨーグルトを食べるには、免疫力を強める働きの強い熟したバナナと、 腸内の乳酸菌増やしに役立つオリゴ糖(高機能性甘味料)を一緒に摂ることです。 バナナとオリゴ糖は、味の面でもヨーグルトとの相性が抜群です。 無糖のヨーグルト300gに、食べやすい大きさに切ったバナナ1本分と、3gのオリゴ糖を混ぜて食べるといいでしょう。
ところで、乳酸菌自体は種類が数多くあり、中でも免疫力の強化作用が抜群に強いのが「EF-621K菌」 と呼ばれる新型の乳酸菌です。帝京大学薬学部教授の山崎正利教授が行った実験によると、 EF-621K菌の免疫力の強化作用は、病院で癌治療に使われている免疫賦活剤(OK-432)並みに高いことが 明らかになっています。 また、乳酸菌は、生きている菌でも死んだ菌でも、免疫力を高める効果の変わらないこともわかっています。 一般に、生きた乳酸菌より、死んだ乳酸菌の方が一度に大量の菌を摂ることができます。 そのため、癌予防のために乳酸菌を摂る場合は、死菌の方が断然有利なのです。 EF-621K菌は、熱処理して粉末状に乾燥させた死菌がサプリメントとしても市販されています。 また、最近では、EF-621K菌の死菌を癌治療に取り入れる医師も全国に増えてきています。 免疫力アップを図り大腸癌を防ぎたい人は、試してみてはいかがでしょうか。
【関連項目】: 『EF-621K菌』 『オリゴ糖』