食生活と癌予防

「癌予防法」の中でも、すぐに実践しやすいのが「食生活」です。 食塩を減らしたり、野菜の摂取量を増やしたりなどのポイントを踏まえて、 栄養の偏りのない食生活を送ることが、癌予防には大切です。


●食塩摂取量を減らして「癌予防」

昔から、日本では「胃癌」が多いことで知られています。 その原因に挙げられているのが「日本食」です。 白米を主食とする日本食では、味噌汁や漬物などの塩辛いものを好んで食べる傾向があります。 それが、「胃癌」の発生率と結びついている考えられています。

通常、私たちの胃の内側は、粘膜によって守られています。 しかし、食塩を過剰に摂取すると、その粘膜が破壊されてしまい、「胃癌」を発生しやすくなってしまいます。 実際に、漬物の摂取頻度と「胃癌」との関連を調べた調査でも、漬物をほとんど食べない人と比べて、 1週間に1~2回食べる人は1.54倍、1週間に3~4回食べる人は2.71倍、「胃癌」になりやすいことがわかっています。 漬物に限らず、塩漬けにしてつくる食品にも同じことが言えます。 このように、食塩と「胃癌」の発生には、深い関係があるのです。

「胃癌の予防」のための食塩摂取量の目標は、「1日10g以下」です。 現在、日本人の1日の平均食塩摂取量は約12gですから、まず、2g減らす努力からはじめましょう。 食塩2gというのは、醤油なら小さじ2杯、味噌汁ならお椀1杯相当です。 毎日の食事の中で食塩の多い食品をどれか1品減らすだけでも、2g程度の食塩摂取を抑えることができます。


●野菜と果物をバランスよく摂って「癌予防」

世界中の研究によって、「野菜や果物」を食べる量が少ないと 「癌」になりやすいといことがわかっています。 「緑色の野菜の摂取量」と「胃癌の発生率」について調べたデータによると、 緑色の野菜をほとんど食べない人と比べた場合、1週間に1~2日食べる人の「胃癌の発生率」は0.78倍、 1週間に3~4日食べる人は0.76倍と、緑色の野菜の摂取によって胃癌発生率が下がっていることがわかります。 緑色の野菜に限らず、他の野菜や果物でも同様の結果が出ているので、野菜や果物全般を摂ることが、 癌予防に有効といえるでしょう。

どんな野菜や果物が癌予防に有効なのかというと、具体的にどの食品のどの成分が癌予防に効果があるかは、 まだはっきりとわかっていません。現時点では、「いろいろな野菜や果物をバランスよく食べること」が 癌予防や健康に最も有効といえます。野菜や果物の「1日あたりの必要摂取量」の目安は「400g」以上です。 というのは、1日400g以上食べている人の方が、それ未満の人に比べて癌のリスクが下がるというデータがあるからです。 現在、日本人の野菜と果物の1日平均摂取量は約400gですから、 「1日400g」は決して難しい目標ではありません。通常の食事で十分摂取できる量であると思われます。 外食などで「野菜不足」と感じたときには、サラダを追加したり、間食に果物を食べたりすることで十分補えるでしょう。


●熱いものは冷ましてから食べて「癌予防」

食事の際に気を付けるべきポイントとして「熱い食べ物や飲み物を避ける」ということがあります。 熱いものを食べたり飲んだりして、口の中やのど、食道の粘膜にやけどが起こると、 炎症になって、細胞が傷ついてしまいます。そのため、癌になり易くなるのです。 特に食道癌は、熱い食べ物や飲み物を口にすると起こりやすくなるといわれています。 熱いものは、冷ましてから食べましょう。


●癌予防に有効とされている健康食品

癌対策に卓越した効果のある食品
対策に卓越した効果のある食品には、 ニンジン、カボチャ、ブロッコリー、ゴボウ、ニンニク、シイタケ、ヨーグルトなどがあります。

キノコ類
近年、アガリクス、ハナビラタケ、メシマコブ、チャーガ、霊芝、ヤマブシタケ等のキノコ に豊富に含まれているβグルカンの抗癌作用が注目されています。

ハナビラタケ
ハナビラタケには、身体に対して有用なβ-グルカン(1-3)が非常に多量に含まれています。 β-グルカン(1-3)は免疫力を高め、抗癌作用があるといわれています。

アマニ
アマニには、リグナンと呼ばれる癌予防因子が、多く含まれています。 リグナンは、乳癌や大腸癌の罹患率の低い地域の住民では食事や血液、尿の中にあり、他方食事や血液、 尿中にリグナンが少ない人々では乳癌や大腸癌が多いことがわかっており、 世界中の多くの名高い研究センターの癌研究者たちは、この相関関係が正しいことを認めています。

フコイダン
フコイダンは免疫強化力が抜群で、その5つの抗癌作用により進行癌をも改善する食物繊維として 医師の間でも評判になっています。フコイダン食品を用いた治療では、肝臓癌・胃癌・肺癌・食道癌などに 顕著な改善例が続出しています。
【関連項目】  『フコイダンの抗癌作用』