癌治療の食事療法『縄文食』

手術・抗癌剤・放射線だけの癌治療では、癌が消えても5年で再発し亡くなる人が約半数しかいないといわれる中、 癌治療の権威が見つけた癌封じの食事療法「縄文食」が話題となっています。 縄文食で、再発癌、転移癌、多臓器癌も大幅回復したとの報告が多数寄せられています。 縄文食の第一の柱は、癌細胞の好物「塩分」と「動物肉」を極力とらない減塩・低脂肪・低たんぱく食で、 第二の柱は免疫力を飛躍的に高める全粒穀物・野菜・果物・海藻を大量に摂る玄米菜食です。


■縄文食

手術・抗癌剤・放射線治療には限界がある

『縄文食』とは、玄米・大豆・海藻・野菜を中心にした古くから日本に伝わる伝統的な食事に、 ポリフェノールの多い食材を加えたものをいいます。 縄文時代から長きにわたり続けられてきた日本人の食事は、低塩・低脂肪・低タンパクの食事で、 これは、日本人の体質にあった食事であり、これを食べることによって私たちは健康を守ってきたのです。 にもかかわらず、日本人に癌が増えたのは、日本人が本来食べていた食事を忘れて、動物性のたんぱく質や 脂肪の多い食事をするようになったことが大きな原因です。 私たち日本人の体になじまない悪いものが体内に取り込まれて、体は癌などの病気になるのです。 かつて米国NIH(厚生省)に所属していたリチャード・ドール博士の研究でも、 癌の原因の50%は食事にあると報告されています。

現在の癌治療の中心となっているのは、「集学的治療法」といわれるものです。 癌を根治させるために、手術・抗癌剤・放射線の力を結集して治療を行うという意味です。 しかし、その効果には限界があります。手術後に抗癌剤や放射線に頼りきりになってしまうと、 患者さんの免疫力が著しく弱まり、回復して元気になるのが難しくなります。 集学的治療を行うと、どうしても生体としての反応が悪くなるので、しばらく休んでは、また抗癌剤や放射線の治療を 再開することの繰り返しになります。これで、治療の効果が出ているうちはいいのですが、 効果がなくなると死を待つしかなくなってしまうのです。

癌の5年生存率をよく見れば、そのことがよくわかります。 癌の進行度別にこれを見ると、胃癌の場合、ステージⅠでは5年生存率が88.6%とかなり高いのですが、 ステージⅡになるとたちどころに低下して41.3%、そして、ステージⅢでは1.3%となります。 ここでいうステージⅠは早期癌のことで、ステージⅣは晩期癌や末期癌のこと。 ステージⅣのうち、晩期癌は余命半年前後、末期癌はさらに進行して余命2ヶ月前後で手の施しようのないものを指します。 癌の種類によって晩期癌でも回復が見込めるものもありますが、胃癌・大腸癌・肺癌・肝癌となると、 多くの医師は内心、あきらめてしまう場合が少なくないようです。

しかし、晩期癌・末期癌であっても、従来の集学的治療法に加えて、古くから伝わっている日本人の体にあった食事 縄文食を組み合わせれば、驚くほどその効果が高まります。一例を挙げると、ある肝臓癌の患者さんの例があります。 その患者さんは、根治手術は不可能といわれほど進行していたため、癌の病変を部分的に切除し、 多くの病変を残したまま手術を終えました。完全な晩期癌で余命は数ヶ月。もはや打つ手はない状態でした。 そこで、家族は自宅療養を強く希望し、食事療法を始めたのです。1日に10種類以上の野菜と果物、 さらに毎日1回はキノコ・海藻・蜂蜜・納豆を食べたそうです。 その結果、驚くべきことが起こりました。取り残した癌の病変が、1年半で全て消失したのです。 医学の常識では考えられなしことでした。

また、ほとんどの晩期癌や末期癌で、他の施設でさじを投げられた患者さんたち110人に減塩・低脂肪・低タンパクの 縄文食を指導・実践してもらった例では、数ヵ月後に死を待つばかりだった110人の患者さんのうちの71人に 驚くほどの改善が認められました。そのうち、癌が全て消えた人が13人もいました。 症状が不変だった人は5人、亡くなった人は34人で、生存率は69%でした。

癌を治す食事療法は日本にも外国にも古くから存在しています。 例えば、外国には100年の歴史を持つ「ゲルソン療法」があります。 癌を防ぎたい、治したいと思う人は、一度縄文食を試してみてはいかがでしょうか。


●縄文食の柱①「減塩・低脂肪・低たんぱく」

塩分の摂り過ぎや動物性脂肪・たんぱく質で細胞が傷み癌化する

晩期癌に対してまで効果があるとされる縄文食の第一の柱は、「減塩・低脂肪・低たんぱく」の食事です。 癌は、食べ物の消化吸収の異常、つまり代謝異常が大きな原因で起こることがわかってきました。 十分に代謝されなかった栄養素が血液や細胞に悪影響を及ぼし、細胞の癌化や癌細胞の増殖を促すのです。

◆塩分の摂りすぎ

細胞の癌化や癌細胞の増殖を促す原因の中でも特に問題なのが「塩分(ナトリウム)の過剰摂取」です。 動物や植物を構成する一つ一つの細胞の中にはカリウムが多く、ナトリウムはごく少量しか含まれていません。 反対に、細胞の外にある血液やリンパ液にはカリウムは少なく、ナトリウムが多く含まれています。 このミネラルのバランスは、どんな生物でもほぼ一定に保たれています。 ところが、ナトリウムを摂り過ぎたり、カリウムが足りなくなったりすると、このバランスが乱れ、 細胞内にナトリウムが入ってきて、細胞が傷み老化が進むようになります。これが細胞の癌化に直結するのです。 したがって、癌を治したかったら、第一に塩分を極力摂らないようにすることが重要です。

◆動物性脂肪

次に、人体にとって最も代謝しやすいのは炭水化物(糖質)ですが、脂肪とたんぱく質の代謝はどちらかというと苦手です。 また、植物性油脂(植物油)の代謝は比較的スムーズなのですが、動物性脂肪(特に牛や豚など四足のもの) の代謝がうまくいかないために、さまざまな問題が生じてきます。 例えば、動物性脂肪の多い食べ物を摂り過ぎると、血液中に悪玉(LDL)コレステロールが増えてきます。 この悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化されて酸化LDLができると、組織障害を起こしやすくなります。 すると白血球の一種であるマクロファージ(大食細胞)が酸化LDLを取り込みます。 その際、マクロファージ自身は死んで泡沫細胞となって動脈硬化を引き起こすのですが、 同時に血液中を巡回するマクロファージそのものが減って免疫力が低下し、癌が起こりやすくなるのです。

◆動物性たんぱく質

一方、動物性たんぱく質については、米国のコーネル大学のキャンベル教授が30年間の研究から、 「動物性たんぱく質はあらゆる物質の中で発癌性が最も高い」と結論付けています。 肝臓では、動物性たんぱく質は酵素の力を借りて分解されて代謝されていきます。 ところが、動物性たんぱく質をたくさん摂り過ぎると、肝臓での酵素の活性が高くなりすぎて、 肝臓の本来の働きである解毒作用が疎かになってきます。 その結果、毒性物質が分解されずに体内に増え、発癌しやすくなってしまうと考えられます。 このことをキャンベル教授は実験で確かめています。マウスに肝癌を発生しやすくしたうえで、 低たんぱく食(5%重量)と高たんぱく食(20%重量)を与えて比較実験をしました。 すると、高たんぱくグループのマウスでは、肝癌の発生率が低たんぱく食グループの3倍に達したといいます。

◆縄文食実践①

以上のことから縄文食では第一の柱として次のことを実践します。

▼塩分は無塩に近づける
もともとナトリウムはさまざまな食品に含まれているので、無塩にしても欠乏の恐れはありません。 食塩や醤油、ソースなどの塩辛い調味料はできるだけ使わず、塩分は1日2~3g以下に抑えてください。 そのためには、酢やワサビ、コショウ、レモン、シソなどを上手に使って、 その食品が本来持っている風味を引き出しましょう。その方が、食塩を使うより美味しく食べられます。
【関連項目】:『藻塩』

▼動物性の脂肪とたんぱく質をできるだけ制限する
縄文食では、四足の動物の肉を摂ることを一切止めます。鶏肉も不可です。 どうしても動物性の食品を食べたいなら、魚介類を週に2回程度、普通に食べる量の半分程度なら 摂取してもかまいません。その場合、ホタルイカのように酵素の多い内臓も摂れるものがおすすめです。 また、焼き魚は、解毒効果が大きく消化酵素も多い大根おろしと一緒に食べるようにします。

●縄文食の柱②「玄米菜食」

主食は玄米にする

縄文食の第二の柱は、日本人が古くから続けてきた「玄米菜食」です。 100年の歴史を誇り全世界の多くの癌患者が取り組んでいる「ゲルソン療法」という食事療法でも、 玄米と同じ全粒穀物の摂取がとりわけ重要視されています。 米のつくりは、表皮であるもみ殻、その内層のヌカ、さらに白米として食べる胚乳からなっています。 胚乳は、ほとんどデンプンしか含んでいません。これに対し、胚芽米や玄米は、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む 健康食品といえます。中でも、ビタミンB群が豊富に含まれているのが玄米の特徴です。 癌は代謝異常によって生じる病気です。その代謝の根幹の部分で働いているのがクエン酸回路です。 クエン酸回路とは、細胞の呼吸やエネルギーの発生に大きく貢献していて、生命の維持に不可欠。 ところが、ビタミンB群が欠乏すると、このクエン酸回路がとまってしまい、細胞の代謝を大きく狂わせて、 癌をはじめとしたさまざまな病気を招くのです。 そのため、ビタミンB群を豊富に含む玄米を食べるようにすることは、癌の治療には欠かせないと考えられています。 そのほか玄米には、免疫力を強め、活性酸素を消去する成分も豊富です。

◆野菜と果物をできるだけ多く摂る

一方、玄米菜食では、野菜と果物を大量に摂ることも忘れてはなりません。 癌の患者さんに野菜と果物の大量摂取が進められる理由は、カリウムをたくさん補えるからです。 代謝異常は、クエン酸回路の障害だけで起こるわけではありません。 前述したように、細胞内外のミネラルのバランスが乱れることによっても起こり、細胞の癌化を招きます。 したがって、ミネラルのアンバランスを正すには、塩分を摂らずに野菜・果物を大量に摂取して カリウムをしっかり補うことが肝心です。それが、老化した細胞や癌化しつつある細胞を正常化することにつながるのです。 さらに、野菜と果物には、活性酸素の害を抑えて細胞の癌化を防ぐポリフェノールやビタミンも豊富に含まれています。 ぜひ、野菜と果物を少しでも多く摂って欲しいと思います。

◆縄文食実践②

以上のことから縄文食では第二の柱として次のことを実践します。

▼1日1回、朝・昼・晩のいずれかの食事で玄米を食べる
1日に食べる玄米の量は、茶碗に1杯か2杯。食べにくい人は2日に1回の割合でもいいでしょう。 胃や腸を切って消化が悪い人は、よく噛んで食べてください。
【関連項目】:『発芽玄米』

▼野菜と果物を毎日大量に摂る
一番効率よく野菜と果物を摂るならジュースが最適。リンゴや柑橘類などの果物、青菜や緑黄色野菜など、 旬のものを4、5種類使って、ジューサーで1日合計2リットルのジュースを作り、それを毎日何回かに分けて飲むといいでしょう。 解毒作用の強い大根おろしも、1日に茶碗1杯分くらい食べてください。
【関連項目】:  『ミネラル』 / 『野菜系サプリ』

▼豆腐を毎日食べる
豆腐には、癌を防ぐイソフラボンという大豆特有の成分が含まれており、良質の植物性たんぱく質を補給できるので、 1日に1丁食べるようにします。納豆・枝豆・豆乳・湯葉などで補ってもいいでしょう。
【関連項目】 『大豆製品』 / 『イソフラボン』

▼ヨーグルトを毎日食べる
動物性食品でも、免疫力を強める乳酸菌が豊富なヨーグルトだけは例外です。1日に300ミリリットルは摂りましょう。
【関連項目】:『乳酸菌』

▼海藻とキノコを毎日食べる
根昆布なら1個、ワカメなら水に戻したものを湯飲み茶碗1杯の量。キノコはシイタケなら1個の半分の量。 これらには、免疫力を高めるフコイダンやβグルカンなどの有効成分が含まれています。
【関連項目】:  『海藻類のサプリ』 / 『βグルカン』 / 『フコイダン』 / 『茸(キノコ)のサプリ』

▼レモン汁を毎日摂る
レモンに含まれるビタミンCやエリオシトリンというポリフェノールは活性酸素を退治する力に優れており、 クエン酸回路を円滑に回す働きも備えています。1日に2個分のレモン汁を摂って下さい。
【関連項目】:  『ポリフェノール』 『健康酢』

▼食用油はオリーブオイルかゴマ油を少量、料理で使う程度


▼水はナチュラルミネラルウォーターを飲む
水道水は、塩素などの有害物質を含むため、おすすめできません。 せめて浄水器を通した水を飲みましょう。理想は、市販のナチュラルミネラルウォーター。 水は代謝に不可欠なので、心不全や腎障害がない限り、1日1.5リットルは補いましょう。
【関連項目】  『ミネラルウォーター・活性水素水』 / 『浄水器/活水器/整水器』