コーヒーを飲んでいると糖尿病になりにくい

糖尿病コーヒーが効く」という医学論文が400以上

コーヒーのさまざまな健康効果に注目!
1日3杯のコーヒーで血糖値が下がる!

「コーヒーを飲んでいると糖尿病になりにくい」と考えられるようになったのは、疫学研究の結果から。 疫学研究というのは、集団を対象に健康にかかわる要因を探る研究です。 10万人以上を10年以上調査するおおがかりないくつもの疫学調査で、コーヒーを飲んでいる人ほど糖尿病の発症が少ないという結果が報告されています。 それだけではありません。糖尿病予防にコーヒーが効くという論文が世界中で400編以上も発表されているというから驚きです。


■「コーヒーは健康に悪い」は大間違い

コーヒーは健康に悪いというイメージもありますが、そんなことはありません。 過去に、コーヒーを飲む人は、癌が多いという疫学調査結果がでました。 そこから、コーヒーは嗜好品でもあるし、健康に悪いと言われるようになったのです。 ところがよく調べると、コーヒー飲用者には喫煙者が多く存在しました。 コーヒーを飲んでタバコを吸えば死亡率が上がりますが、タバコを吸わずにコーヒーを飲んでいる人の場合は、 死亡率が下がるということがわかってきたのです。


■コーヒーのクロロゲン酸がインスリンを活性化

では、コーヒーのどんな成分が糖尿病予防に役立っているのかというと、多くの要因を検討した結果、 糖尿病予防に効いているのは「クロロゲン酸」だとわかってきました。 クロロゲン酸というのは、コーヒー豆に多く含まれているポリフェノールの一種です。 そもそも糖尿病というのは、血液のブドウ糖が多いために、かかってしまう病気です。 「ブドウ糖が多い」=「血糖値が高い」ということであり、血糖値が高いとさまざまな合併症が引き起こされます。 血糖値を下げるには、血液中のブドウ糖をエネルギーとして使ったり、脂肪に変える必要があるのですが、 この仕事をするのが膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。 コーヒーのクロロゲン酸にはインスリンの働きを活性化する効果があるのです。 つまり、コーヒーを飲む⇒コーヒーのクロロゲン酸がインスリンを活性化⇒血糖値が下がる⇒糖尿病を予防できる、 というメカニズムが働いている可能性が高いのです。
では、どんなコーヒーをどのくらい飲むといいのでしょうか?


■糖尿病予防につながるコーヒーの飲み方Q&A

【質問】インスタントコーヒーでも効果があるの?

【答】効果は一緒です。ただし砂糖は入れないこと。
コーヒーと糖尿病の関係を探る疫学調査から、カフェインの量は無関係ということがわかりました。 缶コーヒーでも、インスタントでも、糖尿病予防の効果は一緒です。 ただし、焙煎が深いとクロロゲン酸が破壊されてしまうため、浅煎りがベスト。 ミルクは少量であればOKですが、砂糖を入れると糖尿病リスクは高まるので注意してください。

【質問】一日何杯くらい飲めばいいの?

【答】3杯を目安に飲みましょう。
欧米人を対象とした調査では、1日6~7杯飲むと糖尿病リスクが減少するという結果が出ています。 体の大きさや代謝の関係から、日本人は欧米人の半分で効く薬が多いことを考えると、 コーヒーも3杯程度(450ml)が適量でしょう。また、1日3杯くらいなら中毒性もありません。 胃への負担や夜、眠れないなどの害を感じない範囲で飲んでください。

【質問】いつ飲むのが効果的?

【答】食前を中心に、小分けにして飲みましょう。
血糖値は一時的に下げるよりも、常に低い状態を保つことが理想です。一気にどか飲みするとその時には下がりますが、 持続しないので、何回かに分けて飲むように心掛けてください。ちなみに、食べる直前に飲むと、 血糖値が上がりにくくなるというデータが挙がっています。食前を中心に、ちょこちょこ小分けにして飲むようにしましょう。

【質問】

【答】糖尿病の薬の代わりになる?
コーヒーが糖尿病の治療になるというデータはありません。あくまでも「長年飲んでいる人は糖尿病になる率が低い」 という話ですので、コーヒーを飲んでいるから大丈夫と薬をやめてしまうのは厳禁です。 また、「甘いものを食べてもコーヒーを飲めば血糖値が上がらない」と考えるのも間違い。 食事療法など、治療はしっかり受けてください。


■その他のコーヒーの健康効果

コーヒーで健康になれるという調査結果が次々と報告

疫学調査の結果、糖尿病と同様に、コーヒーを飲んでいる人ほど発症率が低い病気があることがわかった来ました。 その一つが「心疾患」です。心疾患とは、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気。 以前はコーヒーには興奮作用があるので、「カラテコラミン」という攻撃ホルモンを増やし、 血圧を上げて心疾患を増やすのではないかといわれてきました。 ところが、実際にはコーヒーを飲んでいる人の方が、心疾患の発症率が低いという調査結果が挙がってきたのです。 心疾患の予防にも、クロロゲン酸が関係しているのではないかと考えられています。 クロロゲン酸が、血液中の善玉コレステロールの働きをよくしている可能性が高いのです。 心疾患の大きな原因となるが動脈硬化です。動脈硬化は悪玉コレステロールが増えすぎて血管の塊を作ることで起こりますが、 クロロゲン酸の効果で善玉コレステロールが活性化すれば、悪玉コレステロールの比率が下がる。 その結果、動脈硬化を防ぐことができると考えられています。 ちなみに、動脈硬化を予防することで、脳卒中発症のリスクも下がる可能性があります。

ほかに、まだ数は少ないですが、肝臓癌など、一部の癌の発症率が下がった、あるいは痛風が減ったという報告もされています。 これらの事例について、コーヒーのどの部分が効いているといった確固たる医学的根拠は証明されていませんが、 コーヒーの健康効果への可能性は、まだまだ広がっていると考えられるでしょう。