眼底検査と病気の発見
「目は体の窓」ともいわれ、眼底を検査することによって、体のいろいろな情報がわかり、病気の早期発見に大いに役立ちます。
■目は体の窓
眼底検査でいろいろな病気がわかる
人間の体の中で、動脈と静脈が直接観察できるのは「眼底」だけです。
眼底をのぞくと、網膜の上に網の目のように張り巡らされている動脈と静脈がよく見え、
血管に光を当てたときの反射の具合や血管の太さで、「動脈硬化」がどの程度進んでいるかがわかります。
もし眼底の血管に動脈硬化の兆候があれば、それは全身の血管が動脈硬化しているということになり、
脳の血管の動脈硬化は脳梗塞のもとに、心臓の血管の動脈硬化は心筋梗塞の引き金になります。
動脈硬化の進んでいる人はたいてい血圧が高かったり、コレステロール値が高かったりするので、
内科を受診する必要があります。
また、視神経乳頭という部位が腫れ上がっている「視神経乳頭浮腫」は、 脳の圧力が高まっている脳圧亢進のしるしのことがあります。 脳腫瘍などで脳が圧迫されると脳圧が高まるのですが、眼球は視神経というケーブルで 大脳とつながっているので、脳圧の変化が眼球の視神経乳頭に直接的に現れるのです。 目がちらちらするとか視野が狭くなったということで眼科を受診し、眼底検査で異常が見つかり、 MRI検査をした結果、脳腫瘍が見つかるということも珍しくありません。
さらに、「眼底出血」から全身病が見つかることもあります。 糖尿病の合併症の糖尿病網膜症はよく知られていますが、腎臓病、白血病なども眼底出血をきたす代表的な例です。 それぞれ特徴的な出血班が出るので眼科での眼底検査が病気の発見に大いに役立ちます。