食習慣の改善に『雑穀』
生活習慣病を引き起こすメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉は、流行語にさえなっています。 欧米化した食習慣や生活スタイルが招いた結果だとされ、「バランスのよい食事」の大切さが指摘されています。 そのような中で、食習慣を改善する手段の一つとして『雑穀』が注目されています。
■優良健康食「雑穀」
アワやヒエなどの雑穀は、古来から日本人の主食の原点で、昔は地域で採れた雑穀を米に混ぜて食べていました。 健康志向が高まっている現在、ミネラル分や多様なビタミン類を含み、食物繊維を摂取できる雑穀が見直されています。 かつては、雑穀というと「食べにくい」「臭いが気になる」など粗食の代名詞になっていましたが、 現在では、雑穀のブレンドに工夫が重ねられて、家庭でも美味しく食べられ、栄養バランスのよい健康食品になっており、 ダイエットに関心が高い女性などには抵抗感なく受け入れられています。
ある病院では、フランス料理の有名なシェフと管理栄養士、医師が協力して献立に雑穀を使った病院食を作ったところ、 低カロリーで美味しいダイエット食だと評判になり、病院以外からも食べに来る人がいるそうです。 低エネルギーの雑穀は、それ自体の摂取エネルギーが抑えられるだけではなく、 雑穀ご飯はよく噛む習慣がつき、よく咀嚼することで食欲中枢が刺激されて満腹感が得られるので、 食事全体の食べすぎを防止することもできます。 また、穀類に多い食物繊維は、腸内細菌の働きで発酵します。この発酵性エネルギーは体脂肪になりにくく、 胃腸などの働きの元になります。
1つの食品で完全栄養食はありません。コアラはユーカリの葉だけ、パンダは笹の葉だけで生きていけますが、 人類はそのような完全栄養食品に巡り会わなかったので、食材を組み合わせて栄養の偏りをなくす工夫をしてきました。 雑穀も種類が多く、亜鉛やマグネシウムなどのミネラル分、多種多様のビタミンを含んでいます。 複数の雑穀をブレンドすると、栄養のデコボコを修正することができます。