アンセリン

アンセリンは、 カツオやマグロといった遊泳能力の高い魚類の筋肉組織に多く存在するアミノ酸の一種で、L-ヒスチジン含有化合物です。 化学構造上、2つのアミノ酸(β-アラニンと1-メチル-ヒスチジン)が結合したイミダゾールペプチドの一種です。 イミダゾールペプチドは、動物の骨格筋および神経組織に存在し、アンセリンの他、カルノシンやバレニンが知られています。 アンセリンの生理機能として、抗疲労作用、抗酸化作用、尿酸値低下(高尿酸血症改善)作用、組織修復作用などが報告されており、 高尿酸血症(痛風)対策の機能性食品素材として利用されています。


■期待される効能

高尿酸血症(痛風)の改善。抗疲労作用。


■作用メカニズム

アンセリンは、カツオやマグロなど遊泳能力の高い魚類に豊富に分布しています。 アンセリンの作用として、嫌気的運動に伴って生成するプロトンの緩衝作用があり、筋肉pHの低下を抑制すると考えられます。 基礎研究および予備的な臨床研究では、アンセリンによる血清尿酸値の低下が報告されています。 作用機序として、アンセリンがプリン体代謝酵素であるHGPRT(ヒボキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ) の遺伝子発現量を増加させることにより、ヒポキサンチンやグアニンから尿酸への転換を低下させることが示唆されています。 また、アンセリンは、乳酸の分解を促進し、血液中の有機酸濃度を低下させることで尿酸の排泄を促進している可能性も考えられます。


■科学的根拠

基礎研究および予備的な臨床研究では、アンセリンによる血清尿酸値の低下が報告されています。 例えば、城西大学と焼津水産化学工業による基礎研究では、イノシン酸の過剰投与により高尿酸血症を生じさせたラットに、アンセリンを投与したところ、 対照群に比べて、アンセリン投与群における血清尿酸値の低下傾向が認められました。 また、ディーエイチシー(DHC)による予備的な臨床研究では、血清尿酸値が高めの(7.1mg/dL以上の)男性6名を対象に、 1日当たり60mgのアンセリンを2週間投与した結果、血清尿酸値が、平均7.5mg/dLから7.1mg/dLへと有意に低下したそうです。 このとき、肝機能や腎機能、脂質代謝関連指標には有意な変化は認められませんでした。
その他、アンセリンとカルノシンを含む鶏胸肉抽出物による抗疲労効果および運動耐用能向上効果が示されています。 近年、アンセリンとカルノシンを含むイミダゾールペプチドが機能性食品成分として製品化され、抗疲労作用が訴求されるようになりました。


■摂取方法

一般に、短期間では効果が期待できないので、継続して利用します。 予備的な臨床研究では、20mgのアンセリンが毎食後に投与されました(1日当たり60mg)。


■注意事項

通常の食材に存在する成分であり、安全性は高いと考えられます。 現時点(2020年)では、適応となる病態に対して、適切な品質の製品を利用する場合、特に問題となる有害事象は報告されていません。


■関連製品販売店(通販)

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