果物で高コレステロールを解消する

ミカン、キウィ、バナナなどの果物を食べてコレステロールが下がると研究試験により判明!


■ミカンの色素成分が脂質代謝を改善!

私たちに身近な果物にも、コレステロールと中性脂肪の降下作用があるという研究結果が国内外で発表されています。 その代表的な果物が日本人になじみの深い柑橘類である「ミカン」。 数あるミカンの中でも、温州ミカンについて、血中コレステロールへの効果を調べた研究データが発表されました。 この試験は2004年に(独)農研機構果樹研究所が行ったもので、試験概要は次の通りです。

喫煙歴のない健康な女性ボランティア94名を対象に、ミカンのオフシーズンである9月と、 ミカンの旬である1月の2回、血液中のβクリプトサンチン濃度と血清脂質を測定するというもの。 βクリプトサンチンとはミカンの橙色のもとになる色素で、カロテノイドの一種。 このβクリプトサンチンはビタミンA同様に働き、糖尿病や骨粗鬆症の予防といった健康効果を発揮する成分です。
被験者は、ミカンの摂取量によって、血中のβクリプトサンチン濃度が高いグループと低いグループ位分けられます。 その両グループを比較してみると、コレステロール値に明らかな有為差が見られました。 βクリプトサンチン濃度が高いグループは低いグループよりも、年間を通して善玉コレステロール値が増加しています。 加えて、旬である1月に食べたほうが善玉コレステロールはより増える傾向が見られます。 なお、試験では総コレステロールと悪玉コレステロールの数値に変化はありません。 善玉コレステロールは、血管内に留まる性質を持つ悪玉コレステロールを引きはがし、 肝臓に連れて行く性質を持っています。そのため、善玉コレステロールが増えれば、次第に悪玉コレステロールが減少する可能性は高いと言えるでしょう。

この試験から、ミカンを食べてβクリプトサンチンを摂取することで、脂質の代謝を改善し、 さらには動脈硬化や心臓病などの予防に有効であると考えられます。 ミカンはビタミンCを豊富に含んでおり、免疫力を高める、肌を健康に保つなどの効果があります。 内側の皮ごと食べれば、食物繊維も摂取することができます。 腸内にたまった食物繊維には、悪玉コレステロールの排出を促す働きがあります。


●食物繊維が豊富な果物に注目!

この他、疲労回復、活性酸素の除去など、ミカンを常食することでさまざまな健康効果を得ることができます。 特に旬の時期には栄養価が増すため、積極的に口にしたい果物です。 また、ミカン以外にも、バナナ、キウィフルーツ、リンゴなどの果物が、マウスを使った試験データからコレステロールの改善に 有効とみられています。バナナとキウィフルーツは、食物繊維が豊富なため、悪玉コレステロールの排出に働くと考えられています。 加えてキウィフルーツには血管の保護・強化に働く成分も含まれており、中性脂肪の改善にも効果的です。 リンゴは含有するペクチンとポリフェノールの効果で、コレステロールと中性脂肪の両方が低下したという試験データが 発表されています。コレステロールと中性脂肪改善のサポート役として、これらの果物を上手に食べたいところです。