自分でできる緊張型頭痛対策

経験したことのある人は、2000万人以上もいるといわれる緊張型頭痛。 頭が締め付けられるような鈍い痛みがダラダラと続くのが特徴で、頭から肩にかけての筋肉の凝りや張りなどが原因です。 自分でできる対処としては、リラックス法や日常的運動、頭痛体操等で、上手に対処しましょう。 また、日常生活に支障を感じたら、迷わず受診することも大切です。 頭痛になると、市販薬を使う人も多いですが、あまり使いすぎると頭痛が悪化する危険があります。 薬に頼らず、リラックス法をしっかり実践しましょう。


■自分でできる頭痛解消法

日常的に運動をしたり、頭痛体操を行う

緊張型頭痛の改善は、生活習慣の見直しを行うことが基本です。 頭から背中にかけての筋肉のリラックスを図り、筋肉の過剰な緊張を防いだり、凝りや張りをほぐして取り除きましょう。 治療の基本は、日常生活で次のようなことに気を付けることです。

▼正しい姿勢
猫背で、顎が出たり、前かがみになった悪い姿勢は、肩の筋肉に負担をかけます。 猫背であごが上がっている人は、背筋をまっすぐにしてあごを引きます。 前かがみになるスマートフォンの使い過ぎにも、注意が必要です。 椅子に座るときは、足を組まないようにしましょう。

▼作業中のこまめな休憩
デスクワークを1時間行ったら、5分間休むなど、意識してこまめに休憩をとることが大切です。 休憩中は、立ち上がって伸びをしたりなどして、前かがみの姿勢から体を解放させます。

▼首や肩を冷やさない
冷えると、血流が悪化し、筋肉が緊張してしまいます。冬や、夏の冷房などで寒いと感じたら、衣服を1枚羽織って、冷えを防ぎます。

▼ぬるめのお風呂にゆっくり入る
血流がよくなり、筋肉の凝りや張りがほぐれます。精神的にもリラックスし、ストレスが解消される効果もあります。

▼自分に合った枕
頭が高くなりすぎる枕や沈み過ぎる枕では、一晩中悪い姿勢が続いていることになります。 毎朝、起きて肩こりを感じる場合は、枕を見直してみましょう。 血流を改善して筋肉のコリや張りを防ぐための対策には、次の3つがあります。

▼首や肩を冷やさない
夏の冷房で寒いと感じたら衣服を1枚羽織ります。首にスカーフを巻くのもよいでしょう。

▼ぬるめの風呂にゆっくり入る
筋肉のコリや張りがほぐれ、リラックスできます。両手を首の後ろで組んで首を温めると、首周辺の筋肉の緊張がほぐれます。

▼日常的な運動や頭痛体操
体を動かさないでいると痛みが出やすいので、生活の中に運動を取り入れます。 特にお勧めしたいのが、肩にかかる頭の重さの負荷が軽減される水泳です。 水泳は、頭や体重の負荷を減らした状態で肩周りの筋肉の運動が行えます。 ウォーキングをする場合は、猫背にならないよう、必ず胸を張って歩きます。 手軽に行える頭痛体操(下図参照)も大変効果的です。
なお、首を回すと頭痛が起きやすいので、首を回す運動は避けてください。 片頭痛を持っている人で、痛みが出ているときは、運動は行わないようにします。 痛みのないときに頭痛体操などを行うと、7割くらいの人が緊張型頭痛を予防できるようになります。

■頭痛体操

コリや張りを起こした筋肉をリラックスさせることが大切

緊張型頭痛が起きているときに痛みを抑えたり、ふだんから行うことで、頭痛の改善や予防ができるのが頭痛体操です。 手軽に行うことができ、空いた時間などに1日何回も行うと効果的です。


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