群発頭痛

群発頭痛』は、視床下部や内頚動脈に何らかの異常が起こる頭痛です。

『群発頭痛で』は、頭の片側だけに、ある期間集中して症状が現れます。 メカニズムについては、まだ明らかになっていませんが、脳の視床下部という部位と内頚動脈という血管の異常が関係すると考えられます。 視床下部は、体内のさまざまな生体リズムをつかさどる、体内時計の役割を持っています。 そのため、視床下部に異常が起こり、神経細胞が興奮すると、ある期間に集中して症状が現れます。 内頚動脈は、心臓から脳へと向かう血管の一つです。この動脈は目の動脈とつながっているため、異常が起きると、目の奥に強い痛みを感じます。 痛みのほか、目の充血や涙、鼻水が出たり、額に汗をかくなどの症状も現れますが、すべて頭の片側だけに起きます。 これは、片側の副交感神経だけが興奮するためと、考えられています。


■群発頭痛とは?

目の奥に激しい痛みが、一定期間集中的に起こる

▼痛みの特徴
若い男性に多く見られ、「目の奥が激しく痛む」のが特徴です。 起こり始めると、多くの場合、ある一定期間連日集中的に、ほぼ決まった時間帯に起こります。 「目の充血」「まぶたが下がる」などの症状を伴い、痛みの持続時間は1~2時間のことが多く、 1日に1~2回、1~3ヶ月間程度にわたって毎日起こります。 その期間を過ぎると、頭痛は消えますが、半年~数年後には、再び集中的に頭痛が起こります。

▼痛みの起こる仕組み
群発頭痛が起こる仕組みは、まだよくわかっていませんが、片頭痛と同様に、 血管の異常な拡張が痛みの原因だと思われ、群発頭痛では、目の後ろを通る内頚動脈で拡張が起こると考えられています。

●群発頭痛の治療

トリプタン系製剤が発作時の痛みに有効ですが、激痛が短時間だけ起こる群発頭痛では、 経口薬はほとんど役に立ちません。注射薬は経口薬より速く効きますが、痛みが起こっている間に 受診して注射を受けられる例は極めて稀なため、やむをえず点鼻薬を用いているのが現状です。 急性期の「酸素吸入」も有効とされていますが、健康保険は適用されません。
予防療法として、カルシウム拮抗薬やエルゴタミン製剤を用いることがあります。 また、薬物療法が無効な場合、神経ブロックや手術などが行われることもあります。