【質問】肌に合う保湿剤がなくて困っています

4年ほど前、急に何年も使っていた基礎化粧品で肌にかゆみが出るようになりました。 皮膚科で相談すると「何ももつけなくていい」と言われましたが、何もつけないと肌が乾燥するので、プロペトを処方してもらいました。 今はサンホワイトを使っていますが、夏場はかゆみが出てきます。肌に合う保湿剤が商品化されていない場合、どうすればよいでしょうか。
●70歳代・女性


【答】

保湿剤を使って皮膚の潤いを保つことは、ほこりや花粉などアレルギーの原因になる物質や、シミやシワの原因になる紫外線や乾燥など、 さまざまな外的刺激から皮膚を守るために、最も大切なスキンケア(皮膚の手入れ)の一つです。 ただ、敏感肌の場合は保湿剤そのものが刺激になることがあり、ご自分に合った保湿剤を選ぶことに苦労される方もいらっしゃいます。
ご質問者がお使いのプロペトやサンホワイトは、一般的には白色ワセリンと呼ばれ、油性の保湿剤の中では不純物を取り除いた精製度の高いものです。 白色ワセリンは皮膚の表面を油性の膜で覆って、皮膚からの水分の蒸散を防ぐ作用で、乾燥から皮膚を守ります。 プロペトはアレルギー検査の時に無刺激の薬として使用されるものですが、稀に刺激を感じる方もいらっしゃいます。
白色ワセリン以外の保湿成分としては、セラミド、 ヒアルロン酸スクワランなどが化粧品として使われています。 また、処方薬にヘパリン類似物質があります。 いずれにしても、新しく保湿剤や化粧品を使用するときは、5日間程度使用できる試供品などを入手して、まずは顔の一部分で試してみることが大切です。 そして、刺激感や発疹が生じないことを確認してから、顔全体に使用するようにしましょう。 夏場にかゆみや赤みなどの症状が出る場合は、①汗の刺激で肌荒れが生じている、②エアコンの使用で乾燥肌になっている、 ③汗を流そうとしてゴシゴシと洗いすぎている、④逆に洗顔が不十分で汗の汚れや日焼け止めなどが肌に残っている、 ⑤保湿剤で肌がべたつくことが不快で使用量が肌を守るには不十分であるなど、さまざまな原因が考えられます。 今一度、洗顔などのスキンケアを見直し、部屋の湿度管理にも気を配りましょう。 肌を守るためには、夏でも十分な量の保湿剤を使用することをお勧めします。

(この答えは、2020年6月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)