【質問】薬の服用後に味がしなくなりました

約5年前、骨粗鬆症の薬アクトネルを服用した数日後に口内炎を発症し、その数日後から味が全くしなくなりました。 これまで口腔外科、耳鼻咽喉科、味覚外来などを受診しましたが、塩、砂糖、酢などの単体だと味がわかるので、 「味覚障害」ではないと言われ、治療も受けていません。 何とかならないでしょうか?
●70歳代・女性


【答】

「味覚障害」の症状は、味が薄い(味覚低下)、味がしない(味覚消失)、 特定の味のみしない(解離性味覚障害)のような「量的味覚異常」と、何も食べていないのに特定の味がする(自発性異常味覚)、 普段と味が異なる(異味症)、何とも言えない嫌な味になる(悪味症)、特定の味のみきつく感じる(味覚過敏)ような「質的味覚異常」に分類されます。 以前に受診した医療機関で「基本の4味(甘味、酸味、塩味、苦味)がわかるから味覚障害ではない」と言われたということは、 ご質問者の場合は量的味覚異常ではなく、質的味覚異常に分類される症状かと思われます。 味覚を調べる検査(どのくらい味がわかるかを評価する電気味覚検査や、甘味、酸味などの味をどの程度判別できるかを調べる濾紙ディスク法) で味覚機能が障害されていないと判断された場合は、味覚障害というより、味覚異常と呼ぶことも多いです。

さて、ご質問者が内服したアクトネルでは、消化器症状や口内炎の副作用が一定の割合で報告されています。 服用時期と症状の出現が一致しているようなので、味覚障害の契機としては考えられます。 ただ、通常はこうした副作用は永続的なものではなく、薬の中止とともに改善するものです。 ご質問者の場合も、すでに服用を中止されている可能性が高いので、現在持続している症状は、薬の影響とは考えにくいと思います。 味覚障害の原因としては、亜鉛欠乏がよく知られています。 ただし、味覚障害の障害部位や病態は多種多様で、末梢神経や脳が関与するような味覚障害では亜鉛欠乏はあまり関与しません。 治療の第一選択は亜鉛内服療法になりますが、質的味覚異常には漢方薬や抗精神薬などが有効な場合もあります。 症状が現れて5年ほど経つので、治療期間が長引くことも予想されますが、治らないとは言えません。 味覚異常を診療する医療機関は少ないのですが、やはり味覚外来を掲げている医療機関の受診をお勧めします。

(この答えは、2019年7月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)