■口腔扁平苔癬と診断されました

1年ほど前、皮膚科で「口腔扁平苔癬」と診断されました。 原因を調べるためにパッチテストも受けました。 デキサルチン口腔用軟膏を使用中ですが、白色が混じった潰瘍が繰り返し出現します。 他に原因を調べる検査はないのでしょうか? また、最終的には癌に移行するのでしょうか?


【答】

「口腔扁平苔癬」は、粘膜上皮の異常を伴う炎症性の病気です。 潜在的に癌化する可能性を持った病気ですが、癌化率はそれほど高いものではありません。 病変を目で見ると、白いレース状の網目とその隙間の赤色の組み合わせという、白と赤が混在しているタイプが一般的です。 上皮が角化して厚くなった部分は白く、上皮が委縮して薄くなった部分は赤く見えます。 びらんや潰瘍になることもあり、醤油、ソース、香辛料などの刺激物がしみて痛みます。 病状は時期によって強くなったり弱くなったりします。

口腔扁平苔癬は、局所的な免疫異常が関係していると考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。 組織の検査では上皮の角化と上皮下のリンパ球浸潤が見られることから、上皮に何らかの変化が生じたために、 本来なら自分を守るために働くリンパ球が、間違って上皮を攻撃しているのではないかと考えられています。 金属アレルギーや薬などが発症のきっかけになることがあるので、パッチテストなどで関連性を調べることもあります。 治療では、デキサルチン口腔用軟膏などのステロイド系抗炎症薬を使うのが一般的です。 適量の軟膏を1日1〜数回患部に塗布します。数日間使用して症状が軽減したら薬の使用は中止し、症状が強くなったらまた使用するようにしましょう。

口腔扁平苔癬には「口腔カンジダ症」がしばしば合併します。 カンジダ症とは、カンジダという真菌が原因の日和見感染です。 日和見感染とは、健康な状態では感染症を起こさないような病原体が、体の抵抗力が低下したときに起こす感染症をいいます。 口腔扁平苔癬の表面は、健康な上皮と比較してきめが粗いためにカンジダが付着しやすく、 さらに上皮が委縮しているためにカンジダの菌糸が侵入しやすい状態になっています。 そのため、口腔カンジダ症が合併しやすいのです。 口腔カンジダ症の治療には抗真菌薬を使います。ステロイド性抗炎症薬を使うと悪化するので、使用してはいけないことになっています。

ご質問者は、ステロイド性抗炎症薬を使っても改善していないようです。 このような難治性の口腔扁平苔癬の場合は、口腔カンジダ症を合併している可能性があります。 カンジダに感染しているかどうか、顕微鏡検査や培養検査を行って調べてもらうとよいでしょう。

(この答えは、2019年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)