【質問】舌痛症で舌の先がヒリヒリします

半年前に入れ歯にしてから、舌の先がヒリヒリします。口腔外科では「舌痛症」と言われました。 毎日、昼過ぎから症状が悪くなり、鎮痛剤を飲んでいます。 また、精神科と内科でスルピリドとジアゼパムを処方されて飲んでいます。 よい治療法はないでしょうか。
●83歳・女性


【答】

「舌痛症」は、やけどのような、あるいは歯がこすれているような、ピリピリする口の中の痛みや痺れなどの不快感が慢性化する病気です。 約8割が40~70歳代の女性で、近年は高齢化しています。半数以上の患者さんが口腔内の渇き(ザラザラ感やネバネバ感)や味覚障害も伴います。 食事には支障がないことが多いのですが、熱いものや刺激物に敏感になる場合もあります。 また、痛みの場所が移動することや、午後から夜にかけて悪化することもあります。 何かに熱中したり、ガムや飴を口にしたりすると、痛みが紛れる場合もありますが、すぐにぶり返します。 通常の検査では異常が見つからないため、不定愁訴とみなされることもあります。 患者さんには真面目で几帳面で頑張り屋という人が多く、不快な症状を我慢している方も少なくありません。 舌痛症には様々な要因が関係するとされ、今のところ単一の原因は特定されていません。 頭痛や腰痛、めまい、耳鳴り、不眠などを合併する方が多く、脳の敏感さに関連した特殊な神経痛のような病気と考えられています。 歯科治療の後に発症することもありますが、歯の問題ではなく、脳が口の中の変化に敏感なことが発症に繋がりやすいようです。

治療ですが、歯の研磨や痛み止め、塗り薬、うがい薬などはほとんど効果がありません。 しかし、約50年前から抗うつ薬の有効性が示されています。 これらは精神面への作用ではなく、慢性痛そのものに効果があることがわかっています。 1つの薬が効かなくても他の薬が効くこともあります。効き方や副作用には個人差が大きいので、年齢や持病などを考慮して処方してもらうことが必要です。 ある医院では約70%の患者さんで症状が改善しています。症状が軽くなっても4~6ヵ月間は服薬を続けた方が、再発を防ぐ効果が高くなります。 また、「睡眠不足や過労を避ける、生活リズムを整える、軽い運動を行う」なども大事です。 基本的には治る可能性の高い病気です。まずはお近くの口腔外科の受診をお勧めします。

(この答えは、2019年7月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)