■帯状疱疹を予防するには何をしたらいいですか?

【答】

会社の決算期、連休後、お盆や年末年始などには、帯状疱疹の患者さんが増えがちです。 これは過労やストレスが帯状疱疹の発症に深くかかわるためであり、無理をしないことが大切です。 また、発症や症状の悪化を防ぐために、ワクチンの接種が有効です。 ワクチンは、水疱瘡を予防するワクチン(水痘ワクチン)と同じもので、帯状疱疹の予防にも役立つことがわかっています。 日本では、2016年から50歳以上の人に帯状疱疹予防の目的で接種することが可能になりました(費用は全額自己負担ですが、公費で半額支払っている自治体もあります)。 50歳以上で、多忙だったりストレスが多いという人は、帯状疱疹を発症しやすいうえ、帯状疱疹後神経痛を残しやすいので、 ワクチンの接種を検討してもよいでしょう。 このワクチンはもともとは日本で開発されたもので、すでに2006年にアメリカで帯状疱疹ワクチンとして承認され、ヨーロッパでも続いて承認されています。 アメリカで行われた大規模臨床試験では、帯状疱疹の発症率が半減し、重症度が約60%、帯状疱疹後神経痛の発症率が67%低下したと報告されています。 大きな予防効果が期待できますが、このワクチンは弱毒化したウィルスを使った生ワクチンのため、妊婦や、抗癌剤や免疫抑制剤療法中の人、 血液の癌、HIV感染症/AIDSの患者さんなど、免疫の働きが低下している場合は 使うことができません。帯状疱疹の発症リスクが高く、本来、ワクチンが必要なこれらの人々に使えないことが問題になっています。

(この答えは、2019年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)