大腸癌の抗癌剤の副作用
薬の組み合わせ方によって、特徴的な副作用が現れる
抗癌剤治療では、一般に「吐き気」「嘔吐」「食欲不振」「白血球減少」などの副作用が現れます。 しかし、これらの副作用は、吐き気止めなどの薬を上手に使うことで対処が可能になっています。 注意が必要なのは、下記のような薬の組み合わせ方によって現れる特徴的な副作用です。 また、ベバシズマブを使用すると「高血圧」が多く現れ、まれに「血栓ができる」「傷口が治りにくい」 「消化管に孔が開く」といった重篤な副作用が現れることもあります。
- ▼フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム
- 「下痢」や「色素沈着」があります。色素沈着では手足の指先が黒っぽくなる副作用が現れやすくなります。 ただし、薬の使用を止めたり治療が終わると、約2~3ヶ月後にもとに戻ります。
- ▼オキサリプラチン
- 「白血球・血小板の減少」や、手足がしびれる「抹消神経障害」などがあります。 抹消神経障害は現時点では有効な対処法がないため、ひどい場合は治療中止も検討します。
- ▼イリノテカン
- 「下痢」や「脱毛」「重度の吐き気」「倦怠感」などが起こります。 脱毛は治療が終われば改善します。吐き気は吐き気止めの薬で防ぎます。
- ▼ベバシズマブ
- 「高血圧」や、血栓ができる「血栓症」、「鼻出血」「蛋白尿」などがあります。
- ▼セツキシマブ
- にきびのような「湿疹」や「皮膚の乾燥」があります。
- ▼フルオロウラシル+ホリナートカルシウム+イリノテカン
- 脱毛・重度の吐き気・色素沈着があります。 脱毛は治療が終われば改善します。吐き気は吐き気止めの薬で防ぎます。
- ▼フルオロウラシル+ホリナートカルシウム+オキサリプラチン
- 末梢神経障害・色素沈着があります。 冷たいものに触れるとピリッと痛むこともある。痛みが激しいようであれば、担当医と薬を継続するか相談します。
- ▼フルオロウラシル+ホリナートカルシウム+ベバシズマブ
- 高血圧・まれに心筋梗塞などが起こります。 ベバシズマブを使用すると血圧が上がるため、降圧薬を併用することが多くあります。 まれに血栓ができて、心筋梗塞などを起こすことがあります。
- ▼フルオロウラシル+ホリナートカルシウムオキサリプラチン+ベバシズマブ
- 同上。
副作用の症状や程度は、人によってさまざまです。 副作用と上手に付き合いながら治療を続けることが大切です。