■日常生活の注意
大切なのは、弁を開きにくくすることで、主に食べ方や食事内容など食生活の注意と、姿勢に関する注意があります。 食生活では食べ過ぎないこと、特に脂肪を摂り過ぎないことが大切です。 また、急がずにゆっくり、すすらないで食べるようにしましょう。 夜間に症状がある場合は、寝るときの姿勢にも注意してください。 上半身を少し高くして寝ると胃酸の逆流が防げます。 また、横向きに寝るときは、体の左側を下にしたほうが、逆流しにくくなります。 自分の症状の現れ方や、生活パターンなどに合わせて工夫し、症状を抑えるようにしましょう。 加齢は防ぐことはできませんが、食生活などは自分で改善することが可能です。 症状がある場合は我慢せずに受診し、薬物療法を受けるとともに、日常生活を工夫しましょう。
●食生活 ~食べ方や食べ物に注意~
- ▼弁が開きやすい食べ方をしない
- ●食べ過ぎない
多くの食べ物が胃に入ると、内部の圧力が高まり、弁が開きやすくなる。 - ●急いで食べない
ゆっくり食べると徐々に胃が膨らみ、弁が開きにくく逆流しにくい。 しかし、急いで食べると空気を飲み込みやすく、その空気で胃の内部の圧力が高まると、 弁が開きやすい。 - ●すすらない
「ズーズー、ズルズル」と音がする場合は空気も一緒に飲み込んでいる。 すすらないようにして食べる方がよい。 - ▼脂肪を摂り過ぎない
- 脂肪を摂取した時に出るホルモンの影響で、弁が開きやすくなる。 また、脂肪の多い食事を摂り続けていると、肥満を招く。肥満すると、お腹の脂肪が胃を圧迫して 逆流が起こりやすくなる。脂身の多い肉類や、油を使って調理する料理に注意をする。 特に、外食や市販の弁当を利用するときは、できるだけ揚げ物やフライなどを避けるとよい。 生クリームなどを使ったケーキやデザート類、チョコレートなど脂肪の多い菓子類も控えるよう にする。
- ▼逆流を起こしやすい食べ物を控える
- 経験的に、逆流を起こしやすいことがわかっている食べ物や、飲み物がある。 例えば、かぼちゃ、さつまいも、タマネギ、トマト、柑橘類、豆類、和菓子、 刺激の強い香辛料、甘みの強い飲み物などがあげられる。 炭酸ガスを含む清涼飲料水やアルコール飲料を飲むと、胃が膨らみやすく、弁が開きやすい。
●姿勢 ~逆流しにくい姿勢をとる~
- ▼食後は上半身を起こしておく
- 胃液の逆流は食後に起こりやすい。食後に横になると、ますます逆流しやすいので、 しばらくの間上半身を起こした姿勢をとる。また、就寝直前には食事を摂らない。
- ▼前かがみの姿勢を長く続けない
- 背中を丸めるなど姿勢が悪いと、胃が圧迫されやすい。読書やパソコンなどをするときにも、 背筋の伸びたよい姿勢を心掛ける。また、前かがみで行なう作業などを、 長く続けないようにする。
- ▼上半身を高くして寝る
- 食道を胃より高い位置に保つと、逆流が起こりにくい。 夜寝るときは、座布団を背中に当てたり、枕を高くするなど工夫する。
- ▼左側を下にして寝る
- 横向きに寝るときは、左側を下にしたほうが逆流が起こりにくい。