ルテイン

ルテイン』は、健康に役立つ成分、特に、目の機能強化、白内障や加齢黄斑変性などの眼病予防に役立つ成分として、 近年注目されている強力な抗酸化力を持つカロテノイドの一種です。 眼の水晶体と黄斑部に存在する主要なカロテノイドはルテインとゼアキサンチンであるため、 これらの部位が正常に機能するためにルテインは重要な働きを果たしていますが、 加齢や生活習慣・環境によって体内のルテインは消費されていくので、外部から補う必要があります。


■「ルテイン」とは?

『ルテイン(Lutein)』とは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、 ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。 人間の体内器官や皮膚にも存在し、乳房や子宮頚部に多く存在することが知られています。 特に眼の水晶体と黄斑部に存在する主要なカロテノイドはルテイン(Lutein)とゼアキサンチンであるため、 これらの部位が正常に機能するために重要な働きを果たしています。 目の機能強化、白内障や加齢黄斑変性などの眼病予防に役立つとして、近年注目されている成分です。

外界からの光を受けとめるレンズの働きをしている水晶体、その真後ろ、網膜の中心部に位置する黄斑部は、 視覚機能にとってきわめて重要な役割を果たしています。 これら部分にはカロテノイドのうち、ルテイン(Lutein)・ゼアキサンチンしか存在していません。 ルテイン・ゼアキサンチンが、光による酸化ダメージから水晶体と黄斑部を守っているのです。 では、もしも水晶体と黄斑部にルテイン・ゼアキサンチンが不足したらどうなるでしょうか? 水晶体においては白内障、黄斑部においては加齢黄斑変性症(AMD)といった眼疾患リスクにつながることが 実証されています。 白内障や加齢黄斑変性症(AMD)は、加齢にともなって現れる疾患とみなされてきましたが、 最近 では若い世代の間でも起こりうる疾患となってきています。 現代人の生活環境、すなわち、栄養の偏った食生活、光の曝露量の拡大、ストレスなどによって、 年齢を問わずに眼疾患リスクが高まってきていると言えるのです。

ルテインには、フリー体とエステル体の2つがあります。エステル体とは、ルテイン単体に脂肪酸(エステル) が結合されたもので、マリーゴールドから抽出された未精製のルテインです。 また、フリー体とは、特殊製法で脂肪酸(エステル)を取り除いたもので人の体内と同一の結晶化ルテインです。


■ルテインと目の健康

▼加齢黄斑変性(AMD)・白内障
黄斑は水晶体の真後ろ、網膜の中心部に位置します。おびただしい数の細胞で形成されるごく小さな部分で、 読書したり物体をはっきりと見るために必要な高解像度視力を生みだす助けとなります。 黄斑色素が網膜を守ると考えられ、眼の健康状態は黄斑色素濃度によって測られてきました。 また、黄斑色素濃度は眼球水晶体の透明度に関係しています。 加齢黄斑変性(AMD)は、年齢とともに物が歪んで見え、最後には失明の可能性がある恐ろしい眼疾患です。 欧米では失明原因の上位にランクされ、日本でも近年急増しています。 喫煙・飲酒や毎日浴びる太陽光線は黄斑色素濃度を低下させます。 黄斑は光の大部分を受けるため、青色光によるダメージを受けやすくなっており、 青色光によるダメージは加齢黄斑変性(AMD)の一因となりえます。 加齢黄斑変性(AMD)や白内障などの眼病は長期にわたって進行するため、予防が重要になります。 60〜70歳代で加齢黄斑変性(AMD)と診断されるまでに、20年以上も病気を患っていた可能性があります。


▼ルテインの効果
ルテインには、健康な黄斑と網膜のための大切な要因である黄斑色素濃度を高める働きや 眼にフリーラジカルのダメージを引き起こす青色光を遮光する働きがあります。 そのため、ルテインが含まれる果物や野菜を多量に食べると加齢黄斑変性(AMD)や白内障の発病率が 非常に低くなることがわかっています。

■ルテインと心臓血管の健康

▼心臓血管の健康におけるルテインの研究
・ルテインは血清中に存在し、動脈硬化の一要素となる動脈壁の肥厚に影響するのではないかと示唆されています。 少なくとも一つの研究において、高濃度の血清中ルテインは、動脈壁のうすさに関係があると示唆されています。

▼ルテインと心臓
・ルテインは「善玉」コレステロールである高密度リポ蛋白質(HDL)に含まれており、 低密度リポ蛋白質(LDL)コレステロールの酸化を防ぐと考えられています。 Circulation における1994年の研究では、フランス人に心疾患率が低い原因のひとつに ほうれん草などルテイン含有量が多い食品の摂取が挙げられています。

▼ルテインと動脈硬化症
・血清中のルテインレベルは、ヒトの動脈壁厚と逆の関連があります。
・ルテインの補充は、CVD・易発症マウスにおける動脈病変の大きさの縮小(−44%)と LDL酸化の減少(−78%)をもたらします。
・ルテインは、酸化傷害を受けた動脈壁細胞への単球の化学親和性を用量依存的に抑制します。

■ルテインとその他の健康

▼心臓血管の健康におけるルテインの研究
・ルテイン(Lutein)は抗酸化作用があるため、摂取すると眼や心臓、肌、 また乳房や子宮頸部の健康を維持できると研究は示しています。 また、これらの知見をさらに掘り下げるため、多くの大学・研究機関でルテイン(Lutein) の研究が行われています。

▼ルテインと肺機能
・食事中に最も豊富に存在するカロテノイドのうちでルテインが肺機能と最も強く関連していました。
・肺機能に及ぼすルテインの作用を観測した結果には臨床的意義がありました。 1日1.8mgのルテインのレベル低下は、努力呼気肺活量(FEV)と 努力肺活量(FVC)にそれぞれ約1〜2年の加齢変化に匹敵します。
・ルテインといったβ-カロテン以外のカロテノイドは、呼吸の健康に重要な役割を果しているようです。

▼免疫反応
・イヌやネコは、ルテイン(Lutein)を食餌から吸収し、血液中に輸送します。
・ルテイン(Lutein)は、イヌやネコにおける細胞媒介性免疫応答を向上させます。

■ルテインを多く含む植物

  • 緑黄色野菜 : ホウレンソウ 、ブロッコリー、キャベツ
  • 豆類
  • 花 : マリーゴールド
  • 卵黄