■歯周病の手術「フラップ手術」

切開して歯肉をめくり、隠れた歯石を取る

基本治療としての歯石除去は、歯周ポケットの深さが4~5mmほどまでの場合が処置の限界とされています。 歯周ポケットがそれ以上深く、奥の歯石が取りきれないまま残っていると、歯周病は進行します。 そこで、基本治療では除去できない歯石を取るのが「フラップ手術」です。 フラップ手術では、歯肉を切開し、隠れている歯石やプラークを取り除き、歯根の表面や歯周ポケット内をきれいにします。 局所麻酔をするので、ほとんど痛みは感じません。 手術時間は1時間~1時間半ほどで、歯肉を戻して縫合し、1週間~10日後に抜糸します。入院の必要はありません。 3ヶ月~半年後には、歯肉が歯に密着して元の状態に戻ります。 歯周病の進行が軽度から中等度の場合には、この手術によって歯周病の進行を食い止めることができます。 抜糸までの間は、手術した部位の歯磨きは行ないません。

最近では、フラップ手術と併せて、歯周病組織再生治療が行われることもあります。 2016年11月に保険適用されたbFGF製剤トラフェルミンは、歯周病で溶けた歯槽骨に塗布することで、歯周組織を再生させる働きがあります。 ただし、歯槽骨の状態によっては行えない場合もあります。希望する場合は担当医に相談してください。