女性特有の鬱病(うつびょう)
出産後や子育て期、更年期には、女性にとって生活環境が大きく変化する時期です。 この生活環境の変化と、女性ホルモンの分泌量の変化によって、 『鬱病(うつびょう)』を発症する女性は少なくありません。
■「女性特有の鬱病(うつびょう)」とは?
30歳代、50歳代に多い
一生のうちで鬱病にかかる割合は、女性は男性の2倍近いと考えられています。 また、女性の場合、鬱病になりやすい年代があるのが特徴です。 まず30歳代で多くなり、40歳代ではいったん減りますが、50歳代になると、再び増加します。 年齢によって鬱病にかかりやすい時期があるのは、女性特有のライフサイクルや ホルモンバランスの変化などが、発症に密接に関与しているからです。
例えば、30歳代は一般に、出産や子育てなど、女性特有のストレスがかかる時期に当たり、 50歳代は、更年期によるホルモンバランスの変化が、鬱病の発症に関係してきます。 つまり、女性が鬱病になりやすいのは、「産後」や「更年期」といった人生の節目の時期です。 産後や更年期には、生活環境が大きく変わります。また、女性ホルモンの分泌量も急激に変化します。 これらの急激で大きな変化が、鬱病を引き起こす大きな引き金になるといわれています。 産後や更年期に人知れず鬱病に悩んでいる女性は少なくありません。 産後や更年期に現れやすい鬱病のサインに早く気づいて、適切に対処することが大切です。
■「女性特有の鬱病」に対する心構え
年齢的な変化は避けることができませんが、次のようなことを心掛けておけば、鬱病になる原因を避けたり、 和らげることができます。
- ▼自分自身を知る
- 女性はホルモンバランスの変化などで鬱病になりやすいことを自覚し、 自分の体調や月経の周期などを把握しておきましょう。
- ▼生活の変化に注意する
- 妊娠、出産、閉経など、自分がライフサイクルの中の、どの段階にいるのかを知り、 次に来る変化に対応できるように準備しておきます。
- ▼自分だけで抱え込まない
- 自分の体調や悩み、不安などの心の問題を、1人で抱え込まず、異変を感じたら、 信頼できる家族や友人などに、助けを求めることが大切です。
- ▼鬱病を知る
- 鬱病についての正しい知識をもつことが早めの受診や治療につながります。