【質問】息子がよく鼻血を出します
小学校低学年の息子がよく鼻血を出します。最近も、二晩続けて鼻血を出しました。 鼻血に気が付いて目を覚ますこともありますが、気付かずにそのまま寝ていることもあります。 日中、学校でも鼻血が出ることがあるそうです。痛いわけではないとはいえ、血が出ると、親のほうも焦ってしまいます。 鼻血はなぜ出るのでしょうか。原因や対処法、注意事項などがあれば教えてください。
【答】
鼻出血(鼻血)はいろいろな原因で起こります。ただ、その7~8割は鼻中隔の比較的前方の「キーセルバッハ部位」と呼ばれる部位の粘膜部分からの出血です。
キーセルバッハ部位はいくつかの血管からの血流が集まってくる部分であり、粘膜下の血管が豊富なところです。
また、鼻の前方にあって指が届くため、特に小児の場合では指でいじりやすい部分でもあります。
そのため、小児の鼻血のほとんどがこのキーセルバッハ部位からの出血であり、心配なものではありません。
この部位からの出血であれば、多少繰り返しても、まず
貧血になることはありません。
キーセルバッハ部位からの鼻出血が生じた場合は座位または半座位で、ややうつむいて、鼻翼(小鼻)を5分間以上しっかりとつまめば止血できる場合がほとんどです。
喉に回った血液は口から静かに吐き出させてください。自分の血液なので飲んでしまっても問題はありませんが、後で気持ちが悪くなる場合があります。
止血した後しばらくは、鼻をかむ、鼻をいじる、激しい運動を行う、熱いお風呂に入るなど、体がのぼせるようなことは避けてください。
出血を起こしている傷が治るまでは、鼻血を繰り返すことがありますが、普通は1~2週間ででなくなります。
また、まれではありますが、他の原因で鼻出血を来すこともあります。血液の病気や遺伝的な病気がある場合、鼻の中に血が出やすい腫瘍がある場合などです。
これらの場合は、鼻出血が長期に続いたり、のどのほうに大量に回ったりします。その場合は耳鼻咽喉科の医師に診てもらったほうがよいので、
病院を受診してください。
なお、
「慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)」
「アレルギー性鼻炎」などがあると、
どうしても鼻への刺激や鼻いじりなどが増え、鼻出血の頻度が増す場合があります。
このような病気がある場合は、耳鼻咽喉科で治療することをお勧めします。
(この答えは、2014年10月現在のものです。医療は日々進歩しているため、後日変わることもあるのでご了承ください。)